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2018年03月22日
建設局, (公財)東京動物園協会
公益財団法人東京動物園協会(理事長 中野透)では、環境省からの協力要請を受けて、絶滅が危惧されている小笠原諸島固有の陸産貝類のうち2種(アナカタマイマイ、カタマイマイ)について、都立動物園・水族園4園(恩賜上野動物園、多摩動物公園、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園)で飼育を開始しました(平成29年10月26日発表済)。
このたび、うち1種のアナカタマイマイの繁殖に成功しましたのでお知らせします。なお、当面公開の予定はありません。
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【産卵の様子】 (平成30年1月16日 卵の直径3~4ミリメートル) |
【孵化1日後のアナカタマイマイ】 (殻径約3ミリメートル) |
飼育管理が安定し、多摩動物公園(以下「多摩」)では平成29年11月23日から、恩賜上野動物園(以下「上野」)では12月4日から、それぞれ繁殖に向け同居飼育を開始しました。
その後、多摩では12月22日に4卵、上野では平成30年1月19日に6卵の、初産卵が認められました。卵を個別ケースに収容して恒温器に入れ、一定温度で管理したところ、多摩では平成30年1月26日、上野では2月22日に、初めて孵化を確認しました。
孵化した幼貝は、3月19日現在、計68個体(上野9個体、多摩59個体)が成育しています。
なお、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園では、カタマイマイ(Mandarina mandarina)の飼育を継続中です。
3月19日までの総計 ※産卵数は孵化前のものを含む |
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産卵数 | 孵化数 | |
恩賜上野動物園 | 29 | 9 |
多摩動物公園 | 114 | 60 |
繁殖に専念するため、当面公開の予定はありません。公開する場合は改めてお知らせいたします。
小笠原諸島が世界自然遺産に登録された理由のひとつに、「陸産貝類の多様性」が挙げられます。しかし、1990年代にプラナリア類等陸産貝類捕食者が父島に侵入し拡散したこと、また外来植物による植生変化や外来生物のネズミによる捕食などが原因で、小笠原諸島に生息する固有陸産貝類の個体数は激減し、存続の危機に瀕しています。
環境省では平成28年に「小笠原陸産貝類14種保護増殖事業計画」を策定し、保全事業を進めています。また父島では平成22年度から一部を採集して屋内飼育を開始し、小笠原世界遺産センターを中心に島内での生息域外保全の取組みを進めています。
環境省から協力要請があり、小笠原諸島に生息する希少野生生物保全に力を入れている当協会が、飼育個体の危険分散、また島外での新たな飼育繁殖施設として所属4園で生息域外保全に取り組むこととなりました。現在、小笠原父島以外の飼育施設は都立動物園・水族園のみとなります。
都立動物園・水族園(2018年3月19日現在)
アナカタマイマイ:2園計127個体、カタマイマイ:2園計60個体
小笠原世界遺産センター(2018年3月9日現在)
アナカタマイマイ:2,208個体、カタマイマイ:1,216個体
アナカタマイマイ(軟体動物門 腹足綱 マイマイ目 ナンバンマイマイ科)
(環境省レッドリスト:絶滅危惧1類、天然記念物)
※1類の正しい表記はローマ数字です。
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