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2018年05月29日 環境局
小笠原群島聟島(むこじま)におけるアホウドリの新繁殖地形成事業において、一昨年・昨年に引き続き、2008年に聟島を巣立った個体1羽と、野生個体の番いの間で産卵・孵化に成功し、雛が確認され、5月6日から5月16日の間に巣立ったことが、東京都小笠原支庁の委託調査で分かりました。聟島での雛誕生が確認されたのは3例目です。また、卵は孵化しませんでしたが、聟島では新たな番いの産卵も今年2月に確認されました。
2008年(平成20年)に人工飼育し、巣立った個体(カラーリング番号 赤色Y01、10歳、雄)と野生個体(足環なし、雌)
雌は2009年(平成21年)に人工飼育し、巣立った個体(カラーリング番号 赤色Y11、9歳)ですが、雄は個体特定できませんでした。なお、Y11は2013-14年と2014年-2015年に媒島(なこうどじま)で繁殖した個体であり、今シーズンは繁殖場所を変えたことになります。
両番いとも聟島北西部の雛飼育地。Y01はこの場所で、2012年から6シーズン連続して足環なし個体との間で産卵が確認されており、一昨年から繁殖に成功するようになりました。
2018年2月15日から22日の調査において、これまで繁殖していたY01の番いの雛(カラーリング 赤色Y77を装着)と、そのすぐ横で抱卵するY11が確認されました。Y11の卵については、通常の孵化時期より1ヶ月以上遅れていたため、卵を確認したところ、すでに腐敗しており、未受精あるいは初期死亡だった可能性が示唆されました。
その後、東京都小笠原支庁の職員が2018年5月6日に現地を訪れた際、巣立ち間際のアホウドリの雛が確認されましたが、同年5月16日に山階鳥類研究所の研究員が現地を訪れた際には、この雛の姿はなく、すでに巣立った後だったことが確認されました。
写真1. 今年生まれたアホウドリの雛と給餌する雌親(中央)、および今年新たに繁殖したアホウドリ(Y11) |
写真2. 今年新たに聟島で繁殖したアホウドリY11(中央下側、巣内に小さく卵が見える) |
写真3. 今年生まれたアホウドリの雛の巣立ち間際の姿 |
※写真1、2の撮影は山階鳥類研究所(小笠原群島聟島2018年2月)、写真3の撮影は東京都小笠原支庁(小笠原群島聟島2018年5月)
聟島およびその近くの島におけるこれまでのアホウドリの繁殖状況
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※アホウドリは11月に産卵し、雛は翌年1月に孵化して、5月巣立つため、繁殖は年をまたぐ |
山階鳥類研究所発表(外部サイトへリンク)も併せてご参照ください。
昭和53年~ アホウドリ類の標識調査(参考2)
平成9年~ 聟島列島でのノヤギ排除(平成15年に完了)(参考3)
平成24年~ 誘引策(デコイ設置等)、飛来状況調査、普及啓発実施
問い合わせ先 環境局自然環境部緑環境課 電話 03-5388-3454 |
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