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報道発表資料  2018年09月19日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会に「USBメモリを媒体とする投資関連学習教材の販売に係る紛争」の解決を付託しました

本日、東京都知事は、東京都消費生活条例に基づく紛争処理機関である東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子弁護士・東京経済大学現代法学部教授)に、「USBメモリを媒体とする投資関連学習教材の販売に係る紛争」の解決を新たに付託しましたので、お知らせします。

付託案件の概要

  • 申立人2名
    申立人A:20歳代女性
    申立人B:20歳代男性
  • 相手方
    投資関連学習教材USBメモリの販売事業者
  • 各申立人の主張による紛争の概要

申立人A

以前のアルバイト先の先輩であったCに再会し連絡を取るようになった。そのうちCから都内の喫茶店に呼び出され、Cが所属する販売組織である相手方から本件USBメモリを購入するよう勧誘を受けた。USBメモリ内の教材を学ぶことによって、著名なトレーダーの手法による株の先物取引が誰でも可能になると説明され、Cから「一緒に稼いで楽しいことをしよう。早く一緒にやりたい。」などと強く勧められたため、その気になり、その場で提示された書面に署名した。当初、購入代金58万円は貯金をして用意するつもりだったが、Cから「お金を借り入れた上で投資を行いながら返済した方が効率的だ。」と強く勧められたので、消費者金融から借り入れ、その金で平成29年10月に代金を支払い、契約をした。なお、契約をする際に、相手方から他の第三者にUSBメモリを紹介し、その者が実際に購入すれば、一人につき5万円支払う旨説明された。
その後、何回か、相手方の開催するセミナーに参加したが、この先自分自身で投資を行って、借金を返せる程度に利益を上げられるようになるとは到底思えないので、解約を希望する。

申立人B

高校時代の仲の良い友人Dから紹介したい人がいると平成30年3月に都内の喫茶店に呼び出されたところ、相手方を紹介され、本件USBメモリの購入の勧誘を受けた。勧誘が4、5時間にも及び、また信頼していた友人Dから「自分もやっているから大丈夫。一緒にやろう。」と強く勧められたので、提示された書面に署名、押印した。購入代金の58万円については、相手方に消費者金融から借り入れて用意することを提案され、「借入をしてもすぐに返せる。自分も購入に当たって借入を行ったが、2、3か月で完済できた。」と言われたため、すぐに返済できるのであればと消費者金融3社から借り入れ、支払った。なお、相手方からは、第三者にUSBメモリを紹介し、その者が実際に購入すれば、一人につき5万円支払うと言われていたが、紹介することはできなかった。
相手方の開催するセミナーに参加しても、意味がある内容だとは思えず、投資利益を得られるようになるとは全く思えないので、解約を希望する。

参考 USBメモリを媒体とする投資関連学習教材の販売に関する相談件数の推移(東京都内)

グラフの画像
※平成30年度は8月末現在の登録数

付託理由

都内の消費生活センターにおいて、USBメモリを媒体とした投資関連学習教材の販売に関する相談が急増しており、また、契約者のほとんどが身近な者から勧誘された20歳代前半の若者であることから、若者間で親密な関係を利用した勧誘行為が急速に広まっていることが想定されます。契約の締結や解約に係る問題点を整理して今後の消費者被害の防止と救済に役立てるため、本件を付託するものです。

主な問題点

  1. 申立人らによれば、勧誘時、相手方から他の人を紹介すれば1人につき5万円を支払うとの説明を受けたという。本件契約は、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)に該当する可能性があり、特定商取引法に基づく契約の取消や解約の主張ができるのではないだろうか。
  2. 申立人らによれば、相手方は、購入の勧誘に当たって金銭の借入を勧めた上で、借金をしても2、3か月ですぐに返せる、効率的に資金運用できる旨告げていたとのことである。このような説明は、教材の内容に従って投資すれば、USBメモリの購入金額以上は確実に投資利益を得ることができると申立人らに誤認させる説明であったと言え、本件契約が連鎖販売取引に該当しない場合であっても消費者契約法に基づく契約の取消ができるのではないか。

東京都消費者被害救済委員会における今後の処理

  • 東京都消費者被害救済委員会とは
    東京都消費生活条例に基づき設置された知事の附属機関で、弁護士や大学教授などの学識経験者16名、消費者団体の代表4名、事業者団体の代表4名で構成されています。
    都内の消費生活センター等の相談機関に寄せられた消費生活相談のうち、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行います。
  • 委員会に付託すると
    委員数名による部会を構成し、同部会で審議を行います。両当事者から話を聴き、公正な解決策を検討し、両当事者にあっせん案として提示します。両当事者が受諾すれば解決となります。
    あっせん案の考え方は当該紛争だけでなく、他の類似紛争の解決にも役立つことから、条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせしています。
  • 委員は別紙(PDF:134KB)のとおり
  • 委員会の紛争処理実績はホームページを御覧ください。
    QRコードの画像1

若者に向けた注意喚起

身近な友人やSNSで知り合った者から「簡単に儲かる」話があると呼び出され、軽い気持ちで出向いたところ、高額な投資関連の教材を購入させられたという相談が都内の消費生活センターに多数寄せられています。投資経験や元手となる資産を十分有していない旨伝えたにも関わらず、消費者金融からの借入をしつこく勧められ、無理な契約を締結してしまうことが多いようです。USBメモリを媒体とする投資関連学習教材の販売について以下のように注意を呼び掛けています。

※困ったときにはまず相談を!!おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

詳しくは「東京くらしWEB」をご覧ください。

QRコードの画像3

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
電話 03-3235-4155

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