2018年09月26日
オリンピック・パラリンピック準備局, 環境局, 建設局
東京2020大会に向けた暑さ対策実証実験の結果について
東京都は東京2020大会に向けた暑さ対策の一環として、下記のとおり実証実験を実施しました。8月26日、27日に実施した実験の暑さ指数(WBGT)等の測定結果がまとまりましたので、お知らせします。
実験により得られた結果を踏まえ、大会時の暑さ対策を検討していきます。
記
実証実験概要
散水チューブによる散水実験
- 日時
平成30年8月27日(月曜日)午前7時00分~10時00分
- 場所
千代田区皇居外苑 内堀通り
- 内容
歩道の端に穴の開いた農業用及び融雪用チューブを敷設し、散水を行い、暑さ指数(WBGT)等を測定。併せて日傘を使用した場合についても測定
散水車による散水実験
- 日時
平成30年8月26日(日曜日)午前0時00分~9時00分(測定:7時00分~9時00分)
- 場所
墨田区東向島3丁目地内 明治通り
- 内容
散水車により、遮熱性舗装が実施された路面と実施されていない路面に散水し、暑さ指数(WBGT)等を測定
※各実験とも、「暑熱環境測定システム」を用いて測定地点の地上高1.1メートルから測定
路面温度の測定結果
※融雪用チューブでは、日照条件が測定結果に影響したとみられたため、農業用チューブで比較
※WBGTの値は、各地点の30分毎測定値の平均
- 日向で散水を実施した場合、基準点(散水しない日向)と比べ平均約5.6度低下((1)基準点38.3度→対策点32.7度)
- 日傘で日陰を作った上で散水した場合、基準点(散水しない日陰)と比べ平均約3.2度低下((2)基準点34.6度→対策点31.4度)
- 日傘で日陰を作り散水はしない場合、基準点(散水しない日向)と比べ平均約3.7度低下((3)基準点38.3度→対策点34.6度)
→いずれの場合も、3度以上低下した
- 遮熱性舗装では、測定点ごとに日照条件が異なるが、実験終了時点では基準点(散水しない点)45.0度、散水1回43.3度、散水3回42.1度であった
→散水しない場合と比べ、散水3回の場合で2.9度低下した
- 通常の舗装(密粒度舗装)では、測定点ごとに日照条件が大きく異なるが、実験終了時点では基準点(散水しない点)45.2度、散水1回43.2度、散水3回39.7度であった
→日照条件が測定結果に影響したとみられるため、一概に比較することはできない
暑さ指数(WBGT)の測定結果
※融雪用チューブでは、日照条件が測定結果に影響したとみられたため、農業用チューブで比較
※WBGTの値は、各地点の30分毎測定値の平均
- 日向で散水を実施した場合、基準点(散水しない日向)と比べ平均約0.2度低下((1)基準点29.1度→対策点28.9度)
- 日傘で日陰を作った上で散水した場合、基準点(散水しない日陰)と比べ平均約0.1度低下((2)基準点27.3度→対策点27.2度)
→いずれもWBGTの低下に一定の効果があった
- 日傘で日陰を作り散水はしない場合、基準点(散水しない日向)と比べ平均約1.8度低下((3)基準点29.1度→対策点27.3度)
→日傘で日陰を作った場合、散水よりもWBGTを下げる効果があった
- 遮熱性舗装では、測定点ごとに日照条件が異なるが、実験終了時点では基準点(散水しない点)31.2度、散水1回31.2度、散水3回31.0度であった
→散水1回の場合は効果なし、散水3回の場合は一定の効果があった
- 通常の舗装(密粒度舗装)では、測定点ごとに日照条件が大きく異なるが、実験終了時点では基準点(散水しない点)30.8度、散水1回30.7度、散水3回30.8度であった
→日照条件が測定結果に影響したとみられ、散水の効果を確認するに至らなかった
問い合わせ先
(本実験の目的、東京2020大会、大会競技に関すること)
オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部競技・渉外課
電話 03-5388-2826
(測定結果に関すること)
環境局地球環境エネルギー部環境都市づくり課
電話 03-5388-3566
(道路に関すること)
建設局道路管理部保全課
電話 03-5320-5296 |