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報道発表資料  2019年07月11日  環境局

「大気中微小粒子状物質検討会」の検討内容を取りまとめました

東京都の大気環境は、ディーゼル車規制や工場・事業場等の固定発生源の対策に取り組んできた結果、大幅に改善されましたが、微小粒子状物質(PM2.5)と光化学オキシダントについては環境基準を達成しておらず、残された課題となっています。
そこで、学識経験者からなる「大気中微小粒子状物質検討会」を開催し、都内のPM2.5等の実態把握、削減対策等について、専門的な見地から検討を行いました。
この度、平成29年度から平成30年度までの検討内容を取りまとめましたので、お知らせします。
(本検討会は、平成29年度から平成30年度末までの2か年で実施しています。)

PM2.5、光化学オキシダントの発生源と生成機構

発生源と生成機構の画像

PM2.5

粒径2.5マイクロメートル以下の大気中に浮遊している粒子状物質。生成機構により一次粒子と二次粒子に分類される。

光化学オキシダント

オゾン、パーオキシアセチルナイトレートその他の酸化性物質であり、ほとんどをオゾンが占める。工場や自動車等から排出されるNOxやVOCが、大気中で太陽光(紫外線)を受けて生成する。

検討の概要

1. 東京都の大気環境の現状

(1) PM2.5

  • 環境基準達成率:一般環境大気測定局87%、自動車排出ガス測定局79%(2017年度)
  • 近年、年平均値は環境基準の長期基準値15マイクログラム/立方メートル付近で推移しているものの(図1)環境基準達成率は年度ごとに大きく変動(図2)

グラフの画像1

図1 PM2.5濃度年平均値の推移

グラフの画像2

図2 PM2.5環境基準の達成率の推移

(2) 光化学オキシダント

  • 環境基準達成率:全ての一般環境大気測定局で環境基準未達成(2017年度)
  • 東京都政策目標値である「年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均」の推移についても低下傾向にあり(図3)、高濃度域における光化学オキシダントについても低下傾向(図4)

グラフの画像3

図3 光化学オキシダント濃度の3年平均の推移

グラフの画像4

図4 光化学オキシダント濃度の濃度分布割合の推移

2. PM2.5及び光化学オキシダントの将来濃度推計

シミュレーションモデルを活用し、単純将来(Business as Usual:BaU)におけるPM2.5及び光化学オキシダントの東京都政策目標の達成状況について推計

表 PM2.5及び光化学オキシダントに係る主な政策目標
  目標年次 目標値
PM2.5の環境基準 2024年度 全ての測定局で環境基準達成
光化学オキシダント濃度 2030年度 全ての測定局で0.07ppm以下(8時間値)【注】
【注】年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均

(1) PM2.5

目標年度(2024年度)において、政策目標は達成の見込み(図5)

グラフの画像5

図5 PM2.5の大気環境濃度の将来濃度推計結果(2024年度 一般環境大気測定局)

(2) 光化学オキシダント

目標年度(2030年度)において、政策目標は非達成の見込み(図6) 

グラフの画像6

図6 光化学オキシダントの大気環境濃度の将来濃度推計結果(2030年度 一般環境大気測定局)

※BaU:既定施策の継続や統計情報の経年変化を基に設定した将来趨勢値
※箱ひげ図は、一般環境大気測定局の最大値及び最小値を示し、箱の中央線は中央値、上端は第3四分位数(75%値)、下端は第1四分位数(25%値)を示す。
※将来推計に当たっては、2015年度の気象条件を基に推計した結果であり、気象条件によって濃度が変動する可能性がある。

3. 対策の方向性

生成メカニズムや発生源寄与解析の結果に基づき、東京都政策目標の達成に向けてPM2.5及び光化学オキシダントの低減に向けた対策が必要

(1) PM2.5

  • 主な発生源:自動車、大規模固定煙源(図7)
  • 二次生成の原因物質であるNOx、VOC、SOxの削減対策を推進

グラフの画像7

図7 関東地域におけるPM2.5発生源寄与割合推計結果(2015年度)

(2) 光化学オキシダント

  • 主な発生源:自動車、VOC発生施設等(図8)
  • 原因物質であるNOx、VOCの律速状態を踏まえた削減対策を推進

グラフの画像8

図8 関東地域における光化学オキシダント発生源寄与割合推計結果(2015年度)

(3) その他(広域連携の必要性)

  • PM2.5及び光化学オキシダントの低減に向けては、関東域全体及び国内外における原因物質の削減対策が必要

報告書については、環境局のホームページに掲載しています。

本件は、「2020年に向けた実行プラン」に係る事業です。
「スマート シティ 政策の柱2 快適な都市環境の創出」

問い合わせ先
環境局環境改善部計画課
電話 03-5388-3481

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