2019年09月19日
労働委員会事務局
H事件命令書交付について
当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:244KB))。
1 当事者
- 申立人
X1(組合)
X2(個人)
- 被申立人
Y1(株式会社)
Y2(地方公共団体)
2 争点
- 会社がX2を平成29年4月30日付けで雇止めとしたことは、組合員であることや組合活動を理由とした不利益取扱い及び組合運営に対する支配介入に当たるか否か。(争点1)
- X2の雇止めに係る団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるか否か。(争点2)
- Y2は労働組合法上の使用者に当たるか否か。使用者に当たる場合、Y2は、X2の雇止めに関与したか否か。関与した場合、Y2の行為は、X2が組合員であることや組合活動を理由とした不利益取扱い及び組合運営に対する支配介入に当たるか否か。(争点3)
3 命令の概要<一部救済>
- X2が配布したY2などを批判したビラの内容が本件雇止めの決定に影響したとはいえるが、本件雇止め決定時に、会社が、同人が組合員であることや同人の活動が組合活動であることを認識していたとはいえない。よって、X2の雇止めは、組合員であることや組合活動を理由とした不利益取扱い又は組合活動の抑制を図る支配介入に当たらない。
- 団体交渉において、ビラの内容と雇止めの決定とは何の関係もないとの説明を繰り返した会社の対応は、雇止め理由に係る重要な部分について虚偽の発言を行ったものとみざるを得ず、交渉の核心部分への進展を妨げた不誠実な団体交渉に当たる。
会社は、組合に対して文書交付(要旨:不当労働行為と認定されたこと。今後繰り返さないよう留意すること。)をすること。
- Y2が、会社従業員の労働条件の決定に関与したり、影響力を及ぼしたとはいえない。よって、Y2はX2との関係において労働組合法上の使用者に当たらず、Y2に対する申立ては却下する。
参考
命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
- 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
- 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6998 |