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2020年01月22日 建設局, (公財)東京動物園協会
恩賜上野動物園(園長 福田豊)では、ジャイアントパンダ3頭を飼育していますが、今後、発情の兆候が見られた場合、速やかに交配などに向けた環境を整えられるよう、準備を進めてまいります。
つきましては、繁殖期の対応についてお知らせさせていただきます。
ジャイアントパンダ
リーリー
シンシン
ジャイアントパンダ
ジャイアントパンダの繁殖期は一般的には年1回、2月から5月にやってきます。この期間中にメスの妊娠の可能性が高まるのは数日間だけです。
当園では自然繁殖を目指しており、メスの交配適期を見極め、交配のための同居を行う予定です。
繁殖期のシンシンの行動などを確認しながら、以下の対応をしてまいります。
シンシンの発情が強まった場合、展示中止について報道発表いたします。
報道発表後、終日展示中止となりますので、その後の展示の有無については上野動物園ホームページ(東京ズーネット)(外部サイトへリンク)や上野動物園公式ツイッター(外部サイトへリンク)、園の全ての出入口への掲示でご案内します。ご確認のうえ、ご来園くださいますようお願いいたします。
リーリーは、逆立ち排尿やマーキング、体のこすりつけの回数が増えたり、シンシンの部屋を通過する際に床やシンシンの排泄物のにおいをかぐなどの、発情期によく見られる行動が現れています。なお、シンシンには今のところ発情期特有の鳴き声や、体の一部を冷やすなどの行動の発現、尿中ホルモン値の顕著な変化など発情を示す兆候は見られていません。
ジャイアントパンダ(食肉目 クマ科)
(ワシントン条約附属書1、IUCNレッドリスト:VU(絶滅危惧2類)、東京都ズーストック種)
※「附属書1」「2類」の正しい表記はローマ数字です。
性成熟はオスで6.5~7.5歳、メスで3.5~4.5歳。
繁殖期は一般的に2~5月。秋に発情するケースもある。繁殖期には、行動量の増加、においつけ、水浴びによる体冷やしの増加、食欲減退、恋鳴きなどが見られる。発情期間は2週間ほどであるが、そのうち受精できるのは数日間だけある。
交配後、83~200日の妊娠期間を経て出産する。妊娠期間は個体差がある。これは、着床遅延【注1】があるためで、受精してから着床するまでの時間が1日のものもあれば数週間かかるものもある。着床までの時間によって妊娠期間が変わる。
【注1】着床遅延(ちゃくしょうちえん)
受精卵がすぐに子宮内膜に着床せず、胚盤胞の状態でしばらくの間子宮内に浮遊し、それから着床・発育を始める現象。温・寒帯に分布するクマ類やイタチ類、鰭脚類、カンガルーなどに認められている。着床までの時間によって妊娠期間が変わる。
妊娠時に認められる変化により推測するが、偽妊娠【注2】という生理現象がみられるため、確定診断は難しい。
【注2】偽妊娠(ぎにんしん)
偽妊娠は病気ではなく生理現象の一種である。排卵すると、受精しなくても妊娠と同じ経過をたどることが知られている。発情の後、妊娠しなくても、尿中ホルモン値の上昇、動作の不活発、長い休息時間、食欲不振、乳頭の明瞭化、乳房の腫脹、巣作り行動など妊娠した場合と同様の現象が現れる。これを偽妊娠と呼ぶ。出産することがないまま日数が経過し、上記の変化が認められなくなって終息する。
张志和・魏辅文著『大熊猫 迁地保护 理论与实践』(ジャイアントパンダ 域外保全 理論と実践)、科学出版社 (中国)、2006年
東京都恩賜上野動物園編『ジャイアントパンダの飼育 上野動物園における20年の記録』、東京動物園協会、1995年
問い合わせ先 (公財)東京動物園協会 恩賜上野動物園教育普及課 電話 03-3828-5171(代表 17時00分まで) 建設局公園緑地部管理課 電話 03-5320-5365 |
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