2020年03月18日
財務局
令和2年 地価公示価格(東京都分)の概要
調査基準日:令和2年1月1日
地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が標準地を選定し、毎年1月1日時点の調査を行い、価格を判定して、一般の土地の取引価格の指標等として公表するもので、昭和45年以降毎年実施している。令和2年の東京都分の地点数は2,602地点で、平成31年と同数である。用途区分ごとの地点数は、住宅地1,705地点、商業地850地点、工業地39地点、林地8地点となっている。
1 令和2年地価公示価格(東京都分)の動向
東京都全域でみた場合、住宅地、商業地、工業地とも対前年平均変動率(以下、「変動率」という)が7年連続でプラスとなった。また、住宅地、商業地、工業地の計(以下、「全用途」という)においても、変動率が7年連続でプラスとなった。
平成31年地価公示では、区部1,564地点、多摩地区679地点の計2,243地点で価格が上昇したが、令和2年公示では、前年との比較が可能な継続地点2,569地点のうち2,223地点で価格が上昇した。地区別の内訳は、区部が同1,572地点中1,571地点、多摩地区が同979地点中652地点、島部が同18地点中0地点で、用途別の内訳は、住宅地が同1,684地点中1,374地点、商業地が同838地点中812地点、工業地が同39地点中37地点、林地が同8地点中0地点である。
価格が下落した地点は114地点で、地区別の内訳は、区部が0地点、多摩地区が112地点、島部が2地点となっている。また、価格横ばい(前年から価格変動がない)の地点は232地点で、地区別の内訳は、区部が1地点、多摩地区が215地点、島部が16地点となっている。
(1)住宅地
区部
- 区部全域の平均変動率は4.6%となった。昨年の4.8%に比べ上昇幅が縮小した。全23区で変動率がプラスとなったのは7年連続である。
- 上昇率が最も高かったのは、8.8%の荒川区(前年8.6%)で、7.5%の豊島区(同7.0%)、7.3%の文京区(同7.0%)がこれに続いている。
- 上昇率が最も低かったのは、2.6%の葛飾区(前年3.3%)で、3.0%の練馬区(同3.3%)、3.1%の千代田区(同2.9%)がこれに続いている。
多摩地区
- 多摩地区全域の平均変動率は0.8%となった。昨年の1.0%に比べ上昇幅が縮小した。21市で変動率がプラスとなり、2市で0.0%、3市2町でマイナスとなった。
- 上昇率が最も高かったのは、2.9%の稲城市(前年3.1%)で、2.7%の武蔵野市(同3.3%)及び小金井市(同2.7%)がこれに続いている。
- 変動率が0.0%となったのは日野市(前年0.7%)及び多摩市(同0.0%)で、マイナスとなったのは-1.2%の青梅市(同-1.0%)、-0.6%の日の出町(同0.0%)、-0.5%のあきる野市(同0.0%)、-0.1%の羽村市(同0.2%)及び瑞穂町(同-0.1%)だった。
(2)商業地
区部
- 区部全域の平均変動率は8.5%となった。昨年の7.9%に比べ上昇幅が拡大した。全23区で変動率がプラスとなったのは7年連続である。
- 上昇率が最も高かったのは、14.9%の台東区(前年11.0%)で、10.4%の北区(同9.0%)、10.1%の港区(同8.8%)及び荒川区(同9.4%)がこれに続いている。
- 上昇率が最も低かったのは、4.9%の練馬区(前年5.0%)で、5.0%の葛飾区(同5.3%)、5.4%の江戸川区(同5.8%)がこれに続いている。
多摩地区
- 多摩地区全域の平均変動率は2.5%となった。昨年の2.4%に比べ上昇幅が拡大した。25市2町で変動率がプラスとなり、1市で0.0%だった。
- 上昇率が最も高かったのは、7.3%の武蔵野市(前年6.9%)で、5.7%の小金井市(同4.6%)、4.6%の立川市(同5.3%)がこれに続いている。
- 変動率が0.0%となったのはあきる野市(前年0.0%)で、続いて上昇率が低かったのは、0.1%の青梅市(同0.1%)で、0.2%の東大和市(同0.2%)がこれに続いている。
地区別・用途別対前年平均変動率
(単位:%)
|
住宅地 |
商業地 |
工業地 |
全用途【注】 |
令和2年 |
平成31年 |
令和2年 |
平成31年 |
令和2年 |
平成31年 |
令和2年 |
平成31年 |
区部 |
4.6 |
4.8 |
8.5 |
7.9 |
4.3 |
4.1 |
6.3 |
6.1 |
多摩地区 |
0.8 |
1.0 |
2.5 |
2.4 |
2.2 |
1.7 |
1.1 |
1.2 |
島部 |
-0.1 |
-0.4 |
-0.2 |
-0.2 |
- |
- |
-0.2 |
-0.3 |
東京都全域 |
2.8 |
2.9 |
7.2 |
6.8 |
3.3 |
3.0 |
4.3 |
4.2 |
【注】林地を除く |
2 地価動向の背景
住宅地
- 雇用情勢の改善が続く中、低金利環境が継続していることもあり、実需層の住宅取得意欲は堅調である。
- 利便性や割安感等による積極的な需要から、荒川区、豊島区、文京区など、都心部の北に位置する区を中心に高い上昇率となっている。
- 多摩地区では、区画整理事業や駅前整備等が進展している地域、区部近郊の鉄道沿線地域などで根強い需要が見られるものの、人口減・高齢化が進む地域、利便性に劣るバス便地域、斜面造成地や河川沿いの低地などでは、需要の停滞も見られる。
商業地
- 区部の商業地においては、インバウンド需要は高位で推移しており、店舗賃料は堅調に推移している。
- 都心部のオフィス空室率は低水準となっており、賃料は上昇を続けている。
- 都心部を中心に建替えや再開発事業が進捗しており、地域の地価上昇の要因となっている。
工業地
- インターネット通販の普及等に伴う物流施設への需要や、圏央道の整備などを背景に、変動率の高い地点が現れている。
投資等の動向
- J-REITでは、低金利を背景とする良好な資金調達環境を背景に、物件取得意欲は極めて旺盛である。投資対象の広がりとともに、資産総額も堅調に増加している。
※全文(財務局ホームページ)
問い合わせ先
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