2020年05月08日
労働委員会事務局
S事件命令書交付について
当委員会は、昨日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。
1 当事者
- 申立人
X1(組合)
X2(支部)
- 被申立人
Y1(株式会社)
2 争点
- 会社の代表取締役であったY2が、支部執行委員長のX3外3名に対し、「個人的な意見を伝えると残念だな。」、「この規模の会社で(労働組合が)できてしまうことが残念。」などと述べたり、支部の副執行委員長のX4及び同書記長のX5に対し、「その二人が会社側でなく労働者側に付くと会社潰れるよ。」などと発言したこと(以下「本件発言」という。)は組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
- 組合及び支部(以下「組合ら」という。)が、会社に対し、平成29年度における定期昇給を一律2,000円とすること及び夏季賞与を前年度と同月数支給することを要求し、これを議題として組合らと会社が行った計6回の団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるか否か。
3 命令の概要<一部救済>
- 本件発言は、その全体の趣旨(従業員とのコミュニケーション不足への反省等)を踏まえれば、組合の運営に対する支配介入に当たらない。
- 会社が、平成29年7月21日の第6回団体交渉において、組合らの質問した人件費以外の経費削減策を具体的に説明して、理解を得るべく努めることが求められていたにも関わらず、夏季賞与一律20パーセント減額以外の経費の削減策を説明しなかったことは、不誠実な団体交渉に当たる。
- 会社は、29年度における夏季賞与減額以外の経費の削減策について、組合らが団体交渉を申し入れたときは、誠実に応じなければならない。
- 上記2.について、会社に、組合らに対する文書交付(要旨:不当労働行為と認定されたこと。今後繰り返さないよう留意すること。)を命ずる。
参考
命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
- 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
- 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
※別紙 命令書詳細(PDF:264KB)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6998 |