〔別紙2〕
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価結果
東京都が設立した地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(以下「法人」という。)の第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価について、お知らせいたします。
1 評価制度の概要
- 知事は、法人の中期目標の期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務実績について、地方独立行政法人法第28条に基づき、附属機関である東京都地方独立行政法人評価委員会(以下「評価委員会」という。)の意見を聴いたうえで、評価を行うこととなっています。
- 評価委員会は、矢崎義雄氏(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会理事長)を委員長とし、計17名の外部有識者で構成されています。当法人については、青山藤詞郎氏(慶應義塾常任理事)を分科会長とする試験研究分科会の審議を踏まえ、評価委員会に意見を聴いています。
※矢崎氏の「崎」は、正しくは「大」が「立」のものです。
2 評価方針と手順
- 法人の業務及び組織の全般にわたる検討並びに次期中期目標の策定に活用するため、中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績を調査・分析し、中期目標の達成状況等の全体について総合的な評価を行うことなどを基本方針とし、法人から提出された業務実績等報告書をもとに、法人に対するヒアリング等を実施するとともに、評価委員会から意見を聴取しました。
3 評価結果の概要
- 評価は、「項目別評価」と「全体評価」とで実施しました。
- 項目別評価は、「基盤研究」「依頼試験」「海外展開技術支援」など、中期計画の計24項目について、事業の達成状況・成果を5段階で評価しました。
- 全体評価は、項目別評価を基礎とし、法人の中期計画の達成状況全体について「優れた業務の達成状況にある」と評価しました。
(1)項目別評価(24項目)
- 評定S(中期目標の達成状況が極めて良好である)…2項目
基盤研究、3Dものづくりセクター
- 評定A(中期目標の達成状況が良好である)…13項目
共同研究、外部資金導入研究・調査、ロボット産業活性化事業、依頼試験、機器利用サービスの提供、先端材料開発セクター、複合素材開発セクター、オーダーメード開発支援、製品開発支援ラボ、実証試験セクター、技術経営支援、技術審査、海外展開技術支援
- 評定B(中期目標の達成状況が概ね良好である)…9項目
生活関連産業の支援、技術相談、産学公金連携、行政及び他機関との連携、産業人材の育成、情報発信・情報提供等
- 評定C(中期目標の達成状況がやや不十分である)…なし
- 評定D(中期目標の達成状況が不十分であり、法人の組織、業務等に見直しが必要である)…なし
(2)全体評価
ア 総評
中期計画の達成に向け、「優れた業務の達成状況にある」
- 高く評価すべき事項
・研究開発と技術支援の両面から様々な支援を展開することで、各目標値の達成や中小企業の製品化等に貢献しており評価できる。
・東京都の施策とも連携して「ロボット産業活性化事業」や「中小企業へのIoT化支援事業」等に取り組み、中小企業のロボット、IoT関連製品の開発支援で実績を上げていることは評価できる。
・研究開発については、今後の成長が期待される重点技術分野の研究開発を進めることで、共同研究等への発展といった成果を出している。また、法人の総合力を生かした「協創的研究開発」を実施するなど、研究開発力の強化に向けた取組を行っており高く評価できる。
・技術支援については、技術相談、依頼試験、機器利用いずれも高水準の実績を達成している。また、ブランド試験の技術分野の実施による質的な向上に加え、3Dものづくりセクターをはじめとして、各セクターの特色を生かし、中小企業のニーズに即したきめ細かな支援を展開しており評価できる。
- 改善・充実を求める事項
・新型コロナウイルス感染症を契機として法人のデジタル化を進めるとともに、新たな需要獲得に向けた中小企業の取組を支援することを望む。
・法人の業務等に係る監査の指摘等を踏まえて、業務運営における改善を実施し、職員のコンプライアンス推進等に確実に取り組むことを期待する。
イ 第四期の事業運営に向けて
- 第四期では第三期の成果をもとに、法人が強みとする確かな技術力を活かし、より一層、中小企業の製品開発につながる支援の展開が望まれる。また、東京都が令和元年12月に策定した「未来の東京」戦略ビジョンなど、都の施策にも目配りをしつつ、社会経済環境の変化を的確に捉え、中小企業のニーズに基づき柔軟かつ大胆な施策を講じていくことを期待する。
- 研究開発については、基盤研究で得られた研究成果をもとに、中小企業や大学等との共同研究を積極的に進めていくとともに、今後成長が期待される技術分野をしっかりと見極め、事業化を見据えた研究開発の実施を期待したい。
- 技術支援については、法人のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れを加速させ、中小企業の複雑かつ多様な技術相談に対してワンストップで対応することが必要である。
- 情報発信の推進については、都産技研の認知度を向上させるため、情報発信の効果を検証し、適宜見直しを行うなど戦略的な広報活動の推進が望まれる。
※別添 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価書(PDF:2,937KB)