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2020年10月20日 産業労働局
東京都では、高度管理医療機器等先端医療機器開発のモデルケースを創出することにより、優れた後続企業の参入を促進し都内で先端医療機器のエコシステム構築を目指します。
本プロジェクトでは、優れた技術やビジネスアイデアを持つ中小企業等に対し、都内に集積する臨床や薬機法などの各分野の専門家による集中的な指導・助言を通じて、医療の発展に貢献する先端医療機器の開発・事業化に向けた支援を行います。
このたび、本プロジェクトの支援対象者3者が決定しましたので、お知らせいたします。
今後、採択する3者の中から1者には最大6億円の助成金による開発支援を行います。
外科医の認識や判断を支援する手術支援AIシステムの開発
これまで、外科医療は、内視鏡手術やロボット支援手術などの登場により、外科医の「目」や「手」を支援する技術が進化を遂げてきた。今後、更に外科医療の安全性を高めるためには、外科医の「認識」「判断」をサポートする技術開発が必要である。そこで、手術支援AIシステムを開発することで、手術中に外科医の目に映るものを自動解析して、リアルタイムに切るべき臓器や守るべき臓器などを分かりやすく表示し、外科医の「認識」「判断」を支援する。本システムを通じて、外科医の技術向上、手術時間の短縮、手術合併症(出血や臓器損傷など)を減少させ、更なる安全な外科医療の提供を目指す。
AI画像解析技術を活用した細菌感染症の診断・治療プラットフォームの構築
細菌感染症は正確な診断と適切な抗菌薬の投与が重要であるが、現在、安価で高精度に診断できる機器はなく、情報が少ない中で治療選択を行わざるを得ない。そこで、顕微鏡を利用して細菌の有無や菌量などを迅速に特定する検査(塗抹鏡検)と画像解析AI技術を組み合わせることで、細菌感染症の原因となる微生物の判定について、安価で素早く高精度の診断が可能となり、さらに抗菌薬の適正選択支援を行えるシステムを開発する。
白血病の再発を早期に発見する低侵襲モニタリング検査システム
現状の白血病治療により、ほとんどの症例で白血病細胞が消える寛解状態を迎えるが、白血病は再発のリスクが高く、再発後の生存率を高めるためには、その兆候を早期に発見することが重要である。本検査システムは、人の遺伝子を全て解析できる機器を使用し、骨髄生検により採取した骨髄液から患者ごとに異なる原因遺伝子変異を突き止め、それらを検出する検査薬を作成して血液検査等を行うものである。これにより、従来の検査における課題であった確定診断の度に求められる高侵襲な骨髄検査を行わず、多くの患者が低侵襲な血液検査等で再発モニタリング検査を実施することが可能になる。
※先端医療機器アクセラレーションプロジェクトの内容については下記参照
【注1】カタライザーとは、支援対象企業に定期的に訪問し、プロジェクトの進捗管理を行うとともに、進捗度合に応じて、各種専門家と連携した指導・助言を行う者のことです。
【注2】専門家とは、医療機器開発及び医工連携に係る高度かつ専門的な知見(臨床、薬機法、保険、工学、知財、ビジネス等)を有する者で、カタライザーの求めに応じて、開発プロジェクトに対する指導・助言を行う者のことです。
問い合わせ先 産業労働局商工部創業支援課 電話 03-5320-4693 |
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