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2021年03月02日 産業労働局
「江戸東京きらりプロジェクト」では、「現代アート×伝統産業」による新たな価値を伝える展覧会として、アーティスト舘鼻則孝氏がディレクションを行う「江戸東京リシンク展」をオンラインにて開催します。
本オンライン展覧会では、本プロジェクトのモデル事業者の技と現代アートを融合させた舘鼻氏による新作の展示を行います。その他にも、江戸・東京に受け継がれる伝統産業品や工芸品の展示、また貴重な資料の展示から伝統産業の歴史にも触れることができます。多数の作品や展示品は和敬塾(旧細川侯爵邸)に展示し、会場が持つ歴史的雰囲気や佇まいにマッチした、舘鼻氏ディレクションによる展示演出をオンライン上でお楽しみいただけます。
普段、一般公開されていない東京都指定有形文化財である和敬塾(旧細川侯爵邸)の各部屋の様式を活かした展示演出となっており、館の中を巡りながら、展示された作品、歴史的資料を展覧会ディレクター舘鼻則孝の視点を通して鑑賞する体験型のコンテンツとも言えるでしょう。
今回、作品や歴史的資料を展示するだけでなく、出展いただいた伝統産業事業者の方々のインタビュー映像や歴史的背景などの紹介、舘鼻則孝の本展覧会やコラボレーション作品を制作した伝統産業に対する想いを込めた映像も公開いたします。
今回、舘鼻則孝氏と「東京くみひも 龍工房」、「小町紅 伊勢半本店」、「刃物 うぶけや」の3つのモデル事業者がコラボし、作品が制作されました。
龍工房とのコラボレーションでは、組紐を活かし代表作であるヒールレスシューズを制作。本作のために舘鼻が普段から制作に用いているカラーパレットから選ばれた色に調色のうえ染められた2色の絹糸が組紐の表裏を彩っています。また、舘鼻が龍工房に訪問した際に見た結び見本から着想を得た結び目をアクセントとして活かしているのが特徴です。
伊勢半本店とのコラボレーションでは、紅の美しい玉虫色に染まったヒールレスシューズと舘鼻の代表的な絵画シリーズ『Descending Painting』から派生した『Descending Layer』シリーズの立体作品を制作。紅から発色する玉虫色は、その色を引き出すことが非常に難しいといわれている中、約1年間の研究から綺麗な玉虫色を皮革に染め付けることに成功しました。
うぶけやとのコラボレーションでは、アクリルのかたまりを削り出すことで形作られる『Void Sculpture』シリーズに花鋏を用いました。アクリル自体を削り落とした空洞の形状が可視化されることでモチーフが立体的に浮かび上がることが特徴です。
龍工房×舘鼻則孝
Heel-less Shoes
伊勢半本店×舘鼻則孝
Heel-less Shoes
伊勢半本店×舘鼻則孝
Descending Layer
うぶけや×舘鼻則孝
Void Sculpture
1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「イメージメーカー展」(21_21DESIGNSIGHT、2014)、「FutureBeauty」(東京都現代美術館 ほか国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」(岡 Photo by GION 本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)等の他、ニューヨーク、パリ、オランダなど世界各地で作品を発表。また2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催するなど、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。
Photo by GION
通常、展覧会とは会場に足を運ぶものとして認識されるが、そのようなオフラインとオンラインを比較するのではなく、本展では展覧会ディレクターを務める私の視点を鑑賞者と共有することで見えてくる「伝統産業の今までとこれから」に焦点を当てることが主旨となり、そのようなことが私の創作活動の概念「リシンク」の真意で、本展の最も重要なメッセージとも言える。オンラインで鑑賞するという体験によって、より一層そのような意識へ誘引されることになるだろう。
会場となる和敬塾 旧細川侯爵邸は、昭和初期(1936年)に建てられた代表的な華族邸宅として、現在は東京都指定有形文化財として登録されています。本展では、各部屋の様式を生かした展示構成をご覧いただける貴重な機会となります。
江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを、東京の「宝物」として光を当て、その中から意欲ある優れた取組をモデル事業として選定し、新しい視点から磨き上げてその価値を高めるとともに、さらに効果的なプロモーションで世界へと発信していく取組です。また、モデル事業の磨き上げと発信の取組を通して、東京ブランドの確立やものづくりの本場・東京の再興、伝統ある産業の魅力向上、技の継承を目指していきます。
問い合わせ先 産業労働局総務部企画計理課 電話 03-5320-4685 |
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