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2021年03月04日 建設局, (公財)東京動物園協会
恩賜上野動物園(園長 福田豊)では、このたびジャイアントパンダの「シンシン」(メス)に発情の兆候の変化が認められたため、「リーリー」(オス)との同居の準備を始めましたのでお知らせいたします。
ジャイアントパンダ
オスは令和2年11月中旬から、逆立ち排尿やマーキング、体のこすりつけの回数が増えたり、メスの部屋や放飼場に入る際に床やメスの排泄物のにおいをかいだりするなど、発情期によくみられる行動があらわれ、現在も継続しています。
メスは発情に関わる変化が全く見られない状況がしばらく続いていましたが、令和3年2月23日ごろから尿中ホルモン値の変化があらわれはじめ、2月24日ごろから放飼場において、マーキングの回数が増え、2月26日夜間から、体の一部を冷やす様子が見られ始めました。尿中ホルモン代謝物の値の上昇や発情に係る行動が発現したことなどを総合的に検討し、発情のピークが近づいていると判断しました。なお、お見合い時にオスを許容する様子はまだ見られていません。
ジャイアントパンダの繁殖期は一般的には年1回、概ね2月から5月にやってきます。この期間中にメスの妊娠の可能性が高まるのは数日間だけです。当園では自然繁殖をめざしており、メスの交配適期を見極め、交配のための同居を行う予定です。
ジャイアントパンダ(食肉目 クマ科)
(ワシントン条約附属書1、IUCNレッドリスト:VU(絶滅危惧2類)、東京都ズーストック種)
※「附属書1」「2類」の数字の正しい表記はローマ数字です。
【注1】着床遅延(ちゃくしょうちえん)
受精卵がすぐに子宮内膜に着床せず、胚盤胞の状態でしばらくの間子宮内に浮遊し、それから着床・発育を始める現象。温・寒帯に分布するクマ類やイタチ類、鰭脚類、カンガルーなどに認められている。着床までの時間によって妊娠期間が変わる。
【注2】偽妊娠(ぎにんしん)
偽妊娠は病気ではなく生理現象の一種である。排卵すると、受精しなくても妊娠と同じ経過をたどることが知られている。発情の後、妊娠しなくても、尿中ホルモン値の上昇、動作の不活発、長い休息時間、食欲不振、乳頭の明瞭化、乳房の腫脹、巣作り行動など妊娠した場合と同様の現象が現れる。これを偽妊娠と呼ぶ。出産することがないまま日数が経過し、上記の変化が認められなくなって終息する。
問い合わせ先 (公財)東京動物園協会 恩賜上野動物園 電話 03-3828-5171(代表)17時00分まで 恩賜上野動物園教育普及課 電話 03-3822-5811 建設局公園緑地部管理課 電話 03-5320-5365 |
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