ここから本文です。
2021年03月10日 産業労働局
東京都は、高度管理医療機器等先端医療機器開発のモデルケースを創出することにより、優れた後続企業の参入を促進し都内で先端医療機器のエコシステム構築を目指します。
本プロジェクトでは、優れた技術やビジネスアイデアを持つ中小企業等を3社採択し、各分野の専門家による集中的な指導・助言を通じて、医療の発展に貢献する先端医療機器の開発・事業化に向けた支援を3年間行います。また、採択から1年半後に、補助事業対象者を決定する審査会を開催し、選定された事業者に対して、最大6億円の補助金による開発支援を行います。
このたび、令和元年度に採択し1年半の集中支援を行った3社の中から補助対象事業者1社を決定しましたので、お知らせいたします。
株式会社グレースイメージング
心臓リハビリテーションを効果的に実施するための乳酸測定ウェアラブルデバイスの開発
心不全患者の運動療法である心臓リハビリテ―ション(以下、「心リハ」)は、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」にて強く推奨されている治療法である。国内の心不全患者は、100万人規模と推測されており、今後も増加することが見込まれている。心リハを効果的に実施するためには、患者ごとに適した運動負荷量を把握する必要がある。しかし、従来の検査装置は、高価で操作が煩雑なため、普及率が低く、適切な運動負荷量を把握することが難しかった。
そこで、我々はエネルギー代謝物質である乳酸に着目し、乳酸の汗中含有量を連続的に計測可能なバイオセンサを用いた革新的ウェアラブルデバイスを開発し、低廉かつ簡便に運動負荷量を計測することを目指す。乳酸に着目した理由は、本デバイスを用いることで得られる汗LTポイント(乳酸性閾値)が、運動負荷量を測定できるATポイント(嫌気性代謝閾値。従来の検査で呼気ガス分析装置を用いて得られる)と強い相関関係にあることを示したためである。我々は当デバイスの医療機器承認をきっかけとして、当デバイスを含んだ心リハ運動管理・治療システムの構築を計画しており、心リハの品質向上及び普及を加速する。最終的には心リハのみならず、腎臓、がん領域のリハにも取り組み、定量的かつ効果的なリハビリテーションの確立を実現する。
写真:ウェアラブルデバイスを装着しスマホで簡単に運動負荷量を確認する様子(イメージ図)
※先端医療機器アクセラレーションプロジェクトの内容については下記参照
【注1】カタライザーとは、支援対象企業に定期的に訪問し、プロジェクトの進捗管理を行うとともに、進捗度合に応じて、各種専門家と連携した指導・助言を行う者のことです。
【注2】専門家とは、医療機器開発及び医工連携に係る高度かつ専門的な知見(臨床、薬機法、保険、工学、知財、ビジネス等)を有する者で、カタライザーの求めに応じて、開発プロジェクトに対する指導・助言を行う者のことです。
問い合わせ先 産業労働局商工部創業支援課 電話 03-5320-4693 |
Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.