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報道発表資料  2021年03月12日  労働委員会事務局

A事件命令書交付について

当委員会は、昨日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:205KB))。

1 当事者

  • 申立人
    X1(組合)
  • 被申立人
    Y1(会社)

2 争点

組合が平成31年3月4日付けで申し入れた第2回団体交渉に会社が応じなかったことが、正当な理由のない団体交渉拒否及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。

3 命令の概要<一部救済>

  1. 第1回団体交渉において、組合がX2の解雇理由の一つである勤務態度について具体的な事実を聞きたいと求めたのに対して、会社は、過去の裁判の書面にまとめてあるのでそれを読んで欲しいなどと述べるにとどまり、具体的に説明をしておらず、相応の説明をしていたと評価することはできないといわざるを得ない。
    加えて、解雇について具体的な問題の解決に向けた協議に入った形跡はなく、交渉が行き詰まりに達したということはできず、今後交渉を継続する余地が残されていたとみるのが相当である。
    第2回団体交渉申入書の議題の中には、会社が第1回団体交渉において相応の説明を行っているものや、議題とすることが適切とはいい難いものもあるが、解雇理由に関連する議題もあり、今後の交渉の余地がないとまではいえない。
    また、組合の情宣活動に必ずしも適当とはいえないところがあったとしても、団体交渉の開催に支障が生じるような事情であったとまではいえない。そして、第1回団体交渉から第2回団体交渉の申入れまでに約10か月間の期間があったとしても、その間、訴訟手続等労使間のやり取りは行われていたのであり、組合の第2回団体交渉申入れが時機に遅れたものであるということはできない。
    したがって、会社が第2回団体交渉に応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。
  2. 会社が第2回団体交渉に応じなかったことは正当な理由のない団体交渉拒否に当たるが、第1回団体交渉において会社が一定の説明を行っていたと認められることなども考慮すると、会社が団体交渉に応じなかったことが組合の弱体化を企図した支配介入にも当たるとまではいえない。

参考

命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

  • 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
  • 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6979

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