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2021年03月15日 生活文化局
ガストーチは、ガスカートリッジを接続して火口から高温の炎を噴出させる器具です。近年、アウトドアやDIY、炙り料理などに使用する消費者が増えていますが、接続部からのガス漏れが原因となった火災や、火口付近などに触れてやけどをするなどの事故も発生しています。
そこで、東京都はガストーチの使用状況や危害に関する消費者アンケートと、安全性に関する試験を実施しました。
都内在住でガストーチ使用経験のある20歳以上の男女1,030人を対象に、インターネットで調査
危害、ヒヤリ・ハット事例
ガストーチの危害経験やヒヤリ・ハット経験時の使用状況は、「調理中」(53.0%)、「バーベキュー等のため炭に火起こし中」(35.9%)、「DIY作業(溶接等)中」(21.8%)でレジャーや調理中に多く発生していた。
メーカーの異なるカートリッジを接続して使用したり、接続前に「Oリング」【注1】を確認せずに使用する、点火前に臭気を確認しないで使用する【注2】のは事故につながるおそれのある使い方だが、使用経験者の3割~4割程度が、そのことを知らずに使用していた。
【注1】ガストーチのカートリッジ接続部分に取り付けられたガス漏れを防ぐ環型(O形)のゴム製部品
【注2】ガス漏れが分かるよう、ガスカートリッジのガスにはにおいが付けられている
7製品について温度測定試験を実施
火口付近の温度は点火直後に急激に上昇し、最高温度が最も低い製品でも約280℃、最も高い製品では480℃以上となった。消火後には、火口付近の温度は急激に低下するものの、やけどの危険がある70℃を下回るまでに6分かかった製品もあった。
また、火炎放射状態をサーモグラフィー画像で確認すると、実際に見えている炎より広範囲に火炎が放射されていることが分かった。
火炎放射時の実画像(左)とサーモグラフフィー画像(右)
ガストーチによる受傷事故の多くはやけどです。火炎放射中はもちろん、消火後も数分間は火口付近が高温となっています。使用後は誤って触れてしまうおそれがない場所で冷まし、温度が下がるまでは触れないようにしましょう。
また、アウトドアでのバーベキューや焚き火の火起こしで使用する場合は、火の粉が飛んできたり、風によって火炎の向きが変わったりすることがあります。焚き火用の手袋を使用するなどして、やけどをしないように注意しましょう。
ガストーチには「屋外専用」や「調理専用」など使用目的が限定された製品があります。使用目的に合わない製品を使用すると、思わぬ事故が発生するおそれがあります。取扱説明書等をよく確認してから使いましょう。
また、屋外や明るい場所では炎が見えづらくなったり、風が強い場合は炎が思わぬ方向へ放射されることがあるので注意が必要です。
使用前に、取扱説明書にある「警告」、「注意」と表示されている内容をよく確認して、正しく使用しましょう。
ガスカートリッジの接続前にOリングの状態を確認し、点火前には臭気の有無も確認しましょう。ガスカートリッジのガスは、ガス漏れが分かるように、においが付けられています。臭気を感じた場合はガス漏れの可能性がありますので、使用をやめましょう。ガストーチと異なるメーカーのカートリッジを接続して使用することは安全性が確認されていませんので、指定のガスカートリッジを使用しましょう。
Oリング
ガストーチとガスカートリッジを接続したまま保管すると、誤作動やガス漏れの危険があります。ガスカートリッジを取り外すことができない製品を除き、取り外して保管しましょう。保管する際は、ごみなどの異物が混入しないようにするとともに、ガスカートリッジには必ずキャップをしましょう。
市場には、様々な製品が流通しています。なかには、極端に廉価な製品やメーカーのはっきりしない製品もあります。製品が故障した際や事故が発生した際の連絡先等が記載されていない製品もあります。
事故防止及び事故が発生した際の対応の観点から、製造元や販売元がはっきりしている製品を選びましょう。
製造事業者団体、販売事業者団体、国等に対し、さらに安全な製品開発の検討、普及等の取組及び消費者に分かりやすい注意表示等の記載、ガストーチの適切な使用方法の周知等、使用における事故防止に向けた安全対策を推進するため、要望・情報提供を行います。
ガストーチを安全に使用していただくために作成した動画をご覧ください。
報告書はホームページからダウンロードできます。
詳しくは「東京くらしWEB」をご覧ください。
問い合わせ先 生活文化局消費生活部生活安全課 電話 03-5388-3082 |
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