2021年03月18日
生活文化局
東京都商品等安全対策協議会報告
防水スプレー等の安全対策
「必ずマスク着用」表示の徹底、安全確認試験の継続的な実施などを提言
近年、防水スプレー等の使用による吸入事故が増加傾向にあり、入院事例も発生していることから、東京都は、昨年10月に東京都商品等安全対策協議会に「防水スプレー等の安全対策」について検討依頼を行いました。
本日、協議会から提言をまとめた報告書の提出を受けましたので、お知らせします。
報告書のポイント
アンケート調査・検証実験結果から(報告書概要P.1、2、5、6)
アンケート調査
- 商品の購入場所は「靴店」が最多、インターネットではなく実店舗で購入が大多数
- 商品に注意表示されている「必ず屋外で使用する」「吸い込むと有害」「風通しの良い所で使用する」を知っている人はいずれも5割超
- 使用する際、「マスクをつける」に「当てはまる」「やや当てはまる」は約49%
- 商品表示の「文字の大きさ」「表示全体の大きさ」は5割程度が「わかりにくい」「ややわかりにくい」
- 「危害」「ヒヤリ・ハット」を経験した人は使用経験者の約13%、経験場所は「玄関」、経験時の防水スプレーの種類は「革靴用」が最多、対象物も「革靴」が多い
- 「危害」「ヒヤリ・ハット」を経験した人の8割超がどこにも「報告しなかった」と回答
検証実験
- 噴霧粒子が対象物や地面・壁等に跳ね返ったり、気流の乱れで、屋外でも風向きに関わらず吸入に至るおそれがあることを確認
防水スプレーを靴に使用した様子。
顔付近への跳ね返りが確認された。
(赤外線カメラで撮影)
商品の注意表示の確認結果
- 「使用時にマスクを着用」「顔の近くでスプレーしない」を表示している商品は少ない
課題(報告書概要P.7)
商品の安全性の確保
- 防水スプレー等は製造事業者によって製造され、販売事業者のブランドで販売されていることから、安全対策には各事業者の連携が必要
- 製造事業者団体が制定している「自主基準」(安全性に関する基準)に適合するまたは上回る安全性を確保する取組や、販売事業者独自の安全性確保の取組を進めることが必要
注意表示の表示方法
- 消費者の視点に立った、読みやすい・分かりやすい注意表示の改善の検討が必要
事故情報の収集及び収集情報の活用
- 事故等発生時に使用していた商品情報などを含め、より詳細な情報を収集し、今後の事故防止対策に活用することが必要
適切な使用環境・使用方法
- 屋内での使用実態も多いことから、特に玄関を含めた屋内での使用についての注意喚起の強化が必要
- 噴霧粒子の吸入リスクを低減できると考えられる、マスクの着用を強く推奨する表示や注意喚起の強化が必要
提言(報告書概要P.8)
商品の安全対策
- 製造事業者団体の「自主基準」が定めている安全確認試験を継続的に実施し、基準適合の状況を定期的に確認
- 「必ずマスク着用」表示の記載の徹底
- 取扱説明書の添付、理解しやすいレイアウトによる注意表示、イラストの使用など抑揚のある注意事項の記載の工夫
- 「自主基準」の遵守にとどまらない、より安全で安心な商品の研究開発の実施
注意表示に使用されるピクトグラム(図記号)の例
消費者の行動に結びつく注意喚起
- 具体的な事故事例を挙げるなど分かりやすく、浸透しやすい注意喚起を積極的に実施
- 靴販売店やホームセンターなどの小売店を対象に、使用時の安全確保に関する情報を提供
- SNS、ホームページのほか、動画など、多様な媒体を複合的に活用した注意喚起を展開
事故情報の収集と分析、共有
- 販売事業者による事故情報の収集体制整備及び行政等による協力の実施
要望・情報提供
協議会の提言を踏まえて、製造事業者団体、販売事業者、消費者団体、関係機関及び国等に対して、商品の安全対策、消費者の行動に結びつく注意喚起、事故情報の収集と分析・共有等、事故防止に向けた安全対策を推進するため、要望・情報提供を行います。
消費者への注意喚起
事業者、関係団体、国等と連携して、リーフレット、ホームページ、SNSなど、様々な媒体を活用し、積極的に注意喚起を行います。
※「防水スプレー等の安全対策(東京都商品等安全対策協議会報告書)」は、ホームページからダウンロードできます。
※別紙 令和2年度東京都商品等安全対策協議会報告書概要(PDF:991KB)
問い合わせ先
生活文化局消費生活部生活安全課
電話 03-5388-3082 |