2021年03月23日
財務局
令和3年 地価公示価格(東京都分)の概要
調査基準日:令和3年1月1日
地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が標準地を選定し、毎年1月1日時点の調査を行い、価格を判定して、一般の土地の取引価格の指標等として公表するもので、昭和45年以降毎年実施している。令和3年の東京都分の地点数は2,602地点で、令和2年と同数である。用途区分ごとの地点数は、住宅地1,705地点、商業地850地点、工業地39地点、林地8地点となっている。
1 令和3年地価公示価格(東京都分)の動向
東京都全域でみた場合、住宅地及び商業地で、対前年平均変動率(以下、「変動率」という)が8年ぶりにマイナスとなった。また、住宅地、商業地、工業地の計(以下、「全用途」という)においても、変動率は8年ぶりにマイナスとなった。
令和2年地価公示では、区部1,571地点、多摩地区652地点の計2,223地点で価格が上昇し、多摩地区112地点、島部2地点の計114地点で価格が下落したが、令和3年公示では、前年との比較が可能な継続地点2,586地点のうち116地点で価格が上昇し、1,973地点で価格が下落した。
上昇した116地点の地区別内訳は、区部が継続地点1,581地点中55地点、多摩地区が同987地点中61地点、島部が同18地点中0地点で、用途別の内訳は、住宅地が同1,693地点中90地点、商業地が同847地点中9地点、工業地が同39地点中17地点、林地が同7地点中0地点である。
下落した1,973地点の地区別内訳は、区部が1,243地点、多摩地区が720地点、島部が10地点で、用途別の内訳は、住宅地が1,202地点、商業地が756地点、工業地が9地点、林地が6地点である。
また、価格横ばい(前年から価格変動がない)の地点は497地点で、地区別内訳は、区部が283地点、多摩地区が206地点、島部が8地点となっている。用途別の内訳は、住宅地が401地点、商業地が82地点、工業地が13地点、林地が1地点である。
(1)住宅地
区部
- 区部全域の変動率は-0.5%となり、8年ぶりにマイナスとなった。2区で変動率がプラス、21区でマイナスとなった。
- 変動率がプラスとなったのは、0.3%の港区(前年6.2%)及び目黒区(同4.1%)だった。
- 変動率が最も低かったのは、-0.9%の練馬区(前年3.0%)で、-0.8%の中央区(同4.0%)及び板橋区(同5.1%)がこれに続いている。
多摩地区
- 多摩地区全域の変動率は-0.7%となり、8年ぶりにマイナスとなった。1市で変動率がプラス、3市で0.0%、22市2町でマイナスとなった。
- 変動率がプラスとなったのは0.7%の稲城市(前年2.9%)で、0.0%となったのは武蔵野市(同2.7%)、府中市(同1.3%)及び調布市(同1.9%)だった。
- 変動率が最も低かったのは、-2.8%のあきる野市(前年-0.5%)で、-2.7%の青梅市(同-1.2%)及び日の出町(同-0.6%)がこれに続いている。
(2)商業地
区部
- 区部全域の変動率は-2.1%となり、8年ぶりにマイナスとなった。23区全てで変動率がマイナスとなった。
- 変動率が最も低かったのは、-4.0%の台東区(前年14.9%)で、-3.9%の中央区(同8.3%)、-3.1%の新宿区(同8.1%)がこれに続いている。
多摩地区
- 多摩地区全域の変動率は-1.1%となり、8年ぶりにマイナスとなった。26市2町全てでマイナスとなった。
- 変動率が最も低かったのは、-2.7%のあきる野市(前年0.0%)で、-2.5%の福生市(同0.7%)、-2.4%の武蔵村山市(同0.3%)がこれに続いている。
地区別・用途別対前年平均変動率
(単位:%)
|
住宅地 |
商業地 |
工業地 |
全用途【注】 |
令和3年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和2年 |
区部 |
-0.5 |
4.6 |
-2.1 |
8.5 |
1.8 |
4.3 |
-1.1 |
6.3 |
多摩地区 |
-0.7 |
0.8 |
-1.1 |
2.5 |
0.0 |
2.2 |
-0.8 |
1.1 |
島部 |
-1.0 |
-0.1 |
-1.7 |
-0.2 |
- |
- |
-1.2 |
-0.2 |
東京都全域 |
-0.6 |
2.8 |
-1.9 |
7.2 |
0.9 |
3.3 |
-1.0 |
4.3 |
【注】林地を除く |
(3)地価の半年単位の動向
- 東京都地価調査の基準地と同一地点である標準地(以下、「共通地点」という)209地点について、前半期(令和2年1月1日~令和2年7月1日)・後半期(令和2年7月1日~令和3年1月1日)の平均変動率をみた場合、前半期の平均変動率は、いずれの区分においてもマイナスとなったが、後半期の平均変動率は、横ばいから小幅なマイナスとなった。
- 共通地点の前半期平均変動率、後半期平均変動率、年間平均変動率は、下表のとおりである。
東京都地価調査との共通地点における動向
(単位:%)
|
前半期
(令和2年1月1日~令和2年7月1日) |
後半期
(令和2年7月1日~令和3年1月1日) |
年間 |
区部 |
住宅地 |
-0.6 |
0.0 |
-0.6 |
商業地 |
-2.1 |
-0.6 |
-2.6 |
全用途 |
-1.3 |
-0.3 |
-1.6 |
多摩地区 |
住宅地 |
-0.9 |
0.0 |
-0.9 |
商業地 |
-1.9 |
0.0 |
-1.8 |
全用途 |
-1.2 |
0.0 |
-1.2 |
東京都全域 |
住宅地 |
-0.8 |
0.0 |
-0.8 |
商業地 |
-2.0 |
-0.4 |
-2.4 |
全用途 |
-1.3 |
-0.2 |
-1.5 |
|
2 地価動向の背景
住宅地
- 全般的には、前半期を中心に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞や、将来的な雇用・所得に対する不透明感などから、需要が低迷していたが、後半期は回復傾向となっている。
- 交通利便性が高い地域などで根強い需要が見られるものの、交通利便性に劣る地域、斜面造成地や河川沿いの低地、人口減・高齢化が進む地域などでは、需要の停滞が顕著となっている。
商業地
- 入国制限や外出自粛に伴う国内外の来訪者減少等により、店舗の収益性低下、ホテル需要の減退が見られている。
工業地
- インターネット通販の進展等による物流施設への需要などから、物流施設適地では高い変動率となっている。
発表した地価公示価格(東京都分)はホームページでご覧いただけます。
問い合わせ先
財務局財産運用部管理課
電話 03-5388-2730 |