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2021年04月09日 病院経営本部, 小児総合医療センター
都立小児総合医療センターは「小児の専門病院として」の臨床実績や国家戦略特区の枠組みを活用して、小児医療に関する医薬品・医療機器の治験、質の高い臨床試験に取り組んでいます。
このたび、きわめて治りにくいタイプの脳腫瘍である膠芽腫の患者さんを対象として、下記のとおり先進医療【注1】を実施します。
【注1】先進医療:国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたものです。
小児総合医療センター治験オリジナルキャラクター
記
小児の膠芽腫は非常に希な脳腫瘍で、成人の膠芽腫と同様に、脳外科手術のあと、それに引き続いて行う放射線治療と化学療法によって治療されます。きわめて治りにくい反面、それ以外の治療選択が少なく、新たな治療手段の開発が望まれていました。
先進医療として提供するNovoTTF100-Aシステムによる治療は、頭皮に貼り付けたパッドを通して低強度の交流電場を脳内で発生させ、腫瘍細胞の細胞分裂の邪魔をして腫瘍の成長を抑える治療方法です。成人の新規発症膠芽腫に対しては保険適応の治療ですが、小児の適応はなく、18歳未満の小児に対しては希望があっても使用できない現状です。
今回の研究では、日本人の小児がこの治療を安全に行うことができ、効果があるかを調べることが目的です。研究が終了して結果が受け入れられた際には、小児膠芽腫の患者さんへの保険適応が認められ、新たな治療選択肢となる可能性があります。
小児膠芽腫に対するNovoTTF-100Aの安全性確認試験
※詳しくは「jRCTs032200423」で検索してください。
臨床研究実施計画・研究概要公開システム(外部サイトへリンク)
都立小児総合医療センター
治療対象は、主に以下の基準に該当する方です。
※上記以外にも治療対象の基準があるため、詳細は小児総合医療センター(臨床研究支援センター)までお問合せください。
【注2】テント上:大脳と小脳の間を仕切る膜をテントといい、大脳側の部分をテント上と呼びます。
本治療により、膠芽腫の再発を抑制し、生存期間が延長される可能性があります。重い副作用は報告されていませんが、頭皮に貼り付けたパッドによる刺激症状や皮膚炎などに加え、機器を常時身につけているわずらわしさがあるかも知れません。
10例
令和3年4月9日から令和8年3月31日まで
本治療にかかる医療機器やパッドなどの費用は、研究費から支出します。一方、診察や処置にかかる費用は患者さんの負担となります。治療機器はご家庭に持ち帰って治療を継続いただくので、基本的には定期的な外来受診をいただくことになります。
問い合わせ先 都立小児総合医療センター事務局庶務課 電話 042-300-5111 |
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