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報道発表資料  2021年10月28日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会に「SNSで知った『投資で稼げる』というオンラインサロンの契約に係る紛争」の解決を付託しました

本日、東京都知事は、東京都消費生活条例に基づく紛争処理機関である東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)に、標記紛争の解決を新たに付託しましたので、お知らせします。

付託案件の概要

申立人

20歳代 給与生活者

契約内容

オンラインによる〇〇プログラムと称する契約(契約金額110万円)

申立人の主張による紛争の概要

今年1月、自分の利用するSNSにコメントをもらったことがきっかけで、AさんのSNSを見るようになった。2月に入り「〇〇プログラムを始めた。」と書き込まれてからは、「社長についていくだけでこんなにも世界が変わるんだ。」、「短時間で稼いだ。」という内容に変わり、3月には「100万円稼いだ。」と投稿されていた。稼げるならと興味を持ち、Aさんに連絡して教えてもらった、B社長の画像専用SNSのアカウントにメッセージを送ると、B社長から「本気で人生変えたいなら会いに来てください。」、「1週間以内に会いに来ないと契約しません。」と返信があったので、契約内容も金額も知らされないまま、3月下旬、タワーマンションにある事務所に出向いた。B社長から「会員になるとグループ用のメッセージアプリに招待する。FX(外国為替証拠金取引)などの売買のタイミングの情報をアプリに配信するので、同じタイミングで売買した人は全員利益が出る。」、「3か月で月収100万円達成した人もいる。」などと説明され、契約金額は110万円であると言われた。高額なので一度に払えないと伝えると、80万円はクレジットカードで決済し、残り30万円は近くのATMで預金を引き出してくるよう促された。契約書の内容は読まなくてよいと言われたので、読まずに契約書に署名し、現金はその場で支払った。
帰宅して動画を見たが、稼げるような内容とは思えなかった。B社長の名前をインターネットで検索したが良い評判は見当たらなかったので、消費生活センターに相談し、2日後に、クーリング・オフのハガキを郵送した。数日後、事業者からクレジットの手続きには時間がかかるとメールがあり、顧問弁護士からメール受信日と同日付の受任通知が届いた。7月下旬、クレジットカードで決済した80万円はキャンセル扱いとなったが、30万円については未だ返金されない。クーリング・オフなのだから返金してほしい。

付託理由

オンラインサロンとは、インターネット上の会員制コミュニティの総称(1)いわゆるプラットフォーム事業者のサービスを利用したもの、2)主宰者がSNS上のツールを利用したものがあります。)で、近年、急速に利用者が増加しています。都内の消費生活センターには、2)のSNSを利用したオンラインサロンにおいて、投資や副業で稼ぐ方法を学べるなどと勧誘され、トラブルになったという相談が多く寄せられています。事前に契約内容や金額が確認できない、契約内容そのものに問題がある、契約後に連絡が取れなくなるなど、事業者の運営に問題があるケースも見受けられます。本件を解決するとともに解決に当たっての考え方を広く示すことにより、同種の消費者被害の防止と救済を図るため、本件を付託するものです。

主な問題点

  1. 契約者の事業の発展のために〇〇プログラム受講契約を締結するという契約内容になっていたが、申立人はFX等の投資に関する知識や経験に乏しいうえ、反復継続性のある営業行為に係る事業をしていなかったことから、「消費者性」はあり、消費者保護規定の対象となるのではないか。
  2. 申立人は、B社長のメッセージアプリに連絡した際、1週間以内に会いに来ないと契約しないなどと返信があったので、事業者の事務所に出向いているが、契約内容や金額はB社長に会うまで知らなかったという。契約締結の意思が形成される程度の告知がなされていない以上、勧誘目的が明示されているとはいえず、特定商取引に関する法律の規定する訪問販売(アポイントメントセールス【注】)に該当し、申立人はクーリング・オフが可能なのではないか。
    【注】勧誘目的を明らかにせずに、電話、SNSのメッセージ機能等により、消費者を営業所等に呼び出す手法
  3. 契約書には、中途解約の場合一切の金銭を返還しないという規定や受講規約の内容を事業者が一方的に変更できる旨の規定等がある。これらの規定は、消費者契約法における不当条項に該当し、無効な契約条項といえるのではないか。

東京都消費者被害救済委員会における今後の処理

  • 東京都消費者被害救済委員会とは
    東京都消費生活条例に基づき設置された知事の附属機関で、弁護士や大学教授などの学識経験者、消費者団体の代表、及び事業者団体の代表で構成されています。
    都内の消費生活センター等の相談機関に寄せられた消費生活相談のうち、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行います。
  • 委員会に付託すると
    委員数名による部会を構成し同部会で審議を行います。両当事者から話を聴き、公正な解決策を検討し、両当事者にあっせん案として提示します。両当事者が受諾すれば解決となります。あっせん案の考え方は当該紛争だけでなく、他の類似紛争の解決にも役立つことから、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせしています。
  • 委員は別紙(PDF:118KB)のとおり
  • 紛争処理実績はこちらを御覧ください。

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消費者被害に関する注意喚起

SNSなどのインターネットサービスを介して、投資やもうけ話、副業などを勧誘され、消費者がトラブルに巻き込まれるケースがあります。「手軽に稼げる」、「簡単にもうかる」といううたい文句には注意しましょう。契約前に十分に情報を収集し、本当に必要な契約か確認するようにしましょう。消費者被害の未然防止・拡大防止のために、都では以下のように注意を呼び掛けています。

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困ったときにはまず相談を!!
おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

東京都消費生活総合センター 電話 03-3235-1155
お近くの消費生活センターは 局番なし188(消費者ホットライン)

詳しくは「東京くらしWEB」をご覧ください。

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問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
電話 03-3235-4155

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