ここから本文です。
2022年04月21日 生活文化スポーツ局
都内の消費生活センターには、オンラインサロン【注1】で、投資や副業で簡単に稼ぐ方法を学べるなどと勧誘され、トラブルになったという相談が多く寄せられています。
都は、本件の法的な考え方や問題点を整理して、今後の同種・類似紛争の解決に役立てるため、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)に標記紛争の解決を付託していました。本日、同委員会から知事に、あっせん・調停不調により終了したと報告がありましたので、お知らせします。
【注1】インターネット上の会員制コミュニティのこと。ここでは、SNS等の機能を利用して、主宰者が独自に開設する会員制(クローズド)サロンのことを指す。
20歳代
株式会社Gracias(法人番号7011101088710) 代表取締役 岡本明生
東京都新宿区西新宿五丁目5番1号ザ・パークハウス西新宿タワー60-3303号室
令和3年1月、申立人は自身のSNSに、見知らぬAという人からコメントをもらったことがきっかけで、AのSNSを見るようになった。Aの「社長についていくだけでこんなにも世界が変わるんだ」、「100万円稼いだ」などの投稿に興味を持ち、3月に小遣い稼ぎができるならとAから教えてもらった社長のSNSにメッセージを送った。社長から、「本気で人生変えたいなら会いに来てください」、「1週間以内に会いに来ないと契約しません」と返信があった。
何の契約なのかも知らずに事務所に出向くと、社長から、「会員専用のグループ用メッセージアプリにFXなどの売買のタイミングの情報を配信するので、全員利益が出る」、「3か月で月収100万円達成した人もいる」と言われ、契約金額は110万円と告げられた。高額なので一度に払えないと伝えると、80万円はクレジットカードで決済し、30万円は近くのATMで預金を引き出してくるよう促され、その場で支払い、契約した。
帰宅後、会員専用の動画を見たが、稼げるような内容とは思えなかった。社長の名前をインターネットで検索したが良い評判は見当たらなかったので、消費生活センターに相談し、契約の3日後に、クーリング・オフ通知を郵送した。7月にクレジットカードで決済した80万円はキャンセル扱いとなったが、30万円が返金されないため、紛争となった。
委員会は、本件契約は特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)で規定する
アポイントメントセールス【注2】に該当するため、契約金全額のクーリング・オフが可能と判断しました。そこで、申立人が相手方に支払った契約金110万円のうち、カード会社が取消処理を行った80万円を差し引き、現金で支払った30万円の返金を求めるあっせん案を提示しましたが、相手方が応じませんでした。そのため、再度審議し、同内容を調停案として、受諾するように勧告しましたが、これにも相手方が応じなかったため、あっせん・調停不調として処理手続を終了しました。
なお、相手方は付託当初から、委員会の協力要請に一切応じませんでした。(詳細は別紙(PDF:530KB)のとおり。)
【注2】勧誘目的を明らかにせずに、電話、SNSのメッセージ機能等により、消費者を営業所等に呼び出す手法
《参考》「投資・副業」に関する相談件数の推移(東京都) |
(2021年度は2月末までの速報値) |
施策や業務運営等の参考となるよう報告書を送付します。
本件紛争解決に当たっての委員会の考え方を消費生活相談の現場などで活用できるよう、情報提供していきます。
東京くらしWEBで消費者に情報提供を行うとともに、SNS等も活用して、注意喚起を行っていきます。
※別紙 SNSで知った『投資で稼げる』というオンラインサロンの契約に係る紛争案件 報告書(PDF:807KB)
詳しくは「東京くらしWEB」をご覧ください。
問い合わせ先 東京都消費生活総合センター活動推進課 電話 03-3235-4155 |
Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.