2022年05月26日
労働委員会事務局
O事件命令書交付について
当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:267KB))。
1 当事者
- 申立人
X1(東京都世田谷区)
- 被申立人
Y(埼玉県川口市)
2 争点
- 会社が従業員に対し、労働組合を批判する内容が含まれた文書を配布・閲覧させたか否か、配布・閲覧させた場合、当該行為は組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
- 会社の総務部長が、X2に対し、ストライキの際に会社車両を社外のコインパーキングに駐車したことについて注意したことは、組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
- 会社がX2及びX3の使用する会社車両の駐車場所を変更したことは、組合活動を理由とする不利益な取扱い及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
- 駐車場所の変更を議題とする、令和2年10月8日の団体交渉における会社の対応は、団体交渉拒否又は不誠実な団体交渉に当たるか否か。
3 命令の概要<一部救済>
- 会社の文書配布は、従業員の組合に対するイメージを悪化させることで、組織拡大を企図していた組合の活動を抑制する効果を持つものであるから、組合の運営に対する支配介入に当たる。
- 会社の総務部長が行った口頭注意は、業務上の遵守事項ないし就業規則上の義務に違反する行為に対する注意であって労務管理上必要かつ相当なものであるため、組合の運営に対する支配介入には当たらない。
- 会社による駐車場所の変更は、組合員の提起した訴訟における請求の拡張に対する対抗措置としてあえて行ったものであるといえ、組合活動を理由とする不利益な取扱いに当たるとともに、支配介入にも該当する。
- 団体交渉における会社の対応は、組合との合意達成の可能性を模索する意思のないことを終始明確にした交渉態度といわざるを得ず、不誠実な団体交渉に当たる。
参考
命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
- 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
- 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6998 |