2022年10月20日
労働委員会事務局
S事件命令書交付について
当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:258KB))。
1 当事者
申立人 X1(組合)
被申立人 Y1(会社)
2 争点
- 会社による本件解雇は、X2が組合の組合員であるが故の不利益取扱い又は組合の運営に対する支配介入に当たるか否か(争点1)
- 組合と会社とが行った、本件解雇に係る第2回から第5回までの4回の団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるか否か(争点2)
3 命令の概要<棄却>
- 争点1について
本件解雇当時、組合と会社との間が対立的な労使関係であったということはできず、また、会社が、組合員としてのX2の存在やその活動を敵視していたといえるほどの状況にあったということもできないところ、会社が、X2の荷物崩し及び足蹴等行為を問題視して本件解雇の判断をしたことには、それ相応の理由があり、そのほかにX2が組合員であることを理由として本件解雇を行ったと認めるに足りる事情は特にうかがわれないことから、会社による本件解雇は、X2が組合の組合員であるが故の不利益取扱いには該当しないし、組合の運営に対する支配介入にも該当しないといわざるを得ない。
- 争点2について
本件解雇に係る第2回から第5回までの4回の団体交渉においては、本件解雇の直接の理由である荷物崩し及び足蹴等行為だけでなく、X2の元年8月のけん責処分やそれ以前の各指導記録書などについても詳細なやり取りがなされ、会社は、組合からの要求や質問について、その場で回答できなかったことは、次回団体交渉の前に書面で回答したり、資料を提示したりするなど、相応の対応をしており、会社の対応が不誠実であるとする組合の主張は、いずれも採用することができないのであるから、上記4回の団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉には該当しない。
参考
命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
- 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
- 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6998 |