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2023年05月19日 産業労働局
ウクライナ情勢の長期化等によるエネルギーや原材料価格の上昇に苦しむ事業者等を守るため、令和5年度の当初予算では、事業者等に対する前向きな支援やセーフティネット支援など、重層的な対策を講じ、事業者等への効果の早期還元に向け取組を進めているところです。
一方、都内の中小企業や農林水産の事業者を取り巻く環境は、4月以降、価格転嫁が行われずに生じる経営の悪化やインバウンドの急激な回復等に伴う深刻な人材不足などの変化が見られます。
こうした喫緊の課題に速やかに対応するため、当初予算の枠組みを活かしつつ、事業執行にあたり更なる創意工夫を凝らし、緊急措置として以下の取組を実施します。
物価高騰が継続する中、中小企業等においても賃上げが進められていますが、今年度に入り業績の改善が見られない中でも、賃上げを実施する企業の割合は例年に比べ高い状況となっています。
今後の賃上げの原資の確保につなげていくため、設備投資を進める事業者が賃上げを行う場合の補助率を緊急的に拡充することにより中小企業等を支援します。
中小企業等が、競争力の強化を目指した事業展開に必要となる機械設備等を導入する際の助成について、賃上げ計画を策定した場合の補助率を拡充
(補助率:中小企業者2分の1・小規模企業者3分の2→4分の3)
仕入価格の上昇に価格転嫁が追い付かず、経営の状況が悪化する中小企業は、今年度に入って増加の一途を辿っています。
価格転嫁を進めるには、中小企業の取引を適正化する取組が急務であることから、中小企業の取引改善に向けた取組を後押しします。
中小企業の取引改善のためのより実践的なセミナーの開催や、パートナーシップ構築宣言企業との商談会参加企業の規模を拡充
国の水際対策の緩和・終了に伴い、インバウンドの急激な回復が顕著となっている中、観光・飲食業の人手不足が深刻さを増しています。また、働き方改革関連法の本格適用を控える一方、建設業、運輸業等における取組が急務です。
このため、観光・飲食業、建設業、運輸業を中心に、人材確保を後押しするため、専門家・アドバイザーの活用を更に進めるほか、人材確保につなげるためのセミナーや合同就職面接会等のイベントを追加で開催します。
観光事業者が専門家の助言を受けて行う経営改善や新たな事業展開に向けた取組への支援について、人材の確保や定着に関する取組を補助対象に追加(補助率:3分の2)
観光・飲食業、建設業、運輸業等の中小企業の採用活動を後押しするとともに、求職者の就職につなげるため、企業向けセミナーや合同就職面接会を行う総合的なイベントを追加で開催
企業の働き方改革に向けた、相談からノウハウの提供、専門家派遣までの段階的な支援について、建設・運送業等の事業者が迅速に専門家派遣を活用できるよう要件を見直し
昨年度、過去最大規模で鳥インフルエンザが全国で発生したことを踏まえ、事業者の防疫体制を調査したところ、更なる対策が必要な状況が明らかになりました。また、農林水産の事業者が使う飼料等の価格は今年度、急騰しています。
今年の鳥インフルエンザの流行に備えた養鶏農家等の防疫体制を整備するための緊急対策を講じるほか、国産飼料への転換、価格高騰対策への支援を緊急に実施します。
高病原性鳥インフルエンザの全国規模での発生等を踏まえ、令和5年秋からの流行期に備えるため、養鶏農家等による防疫体制の強化に向けた取組への支援を拡充
(補助率:2分の1→最大10分の10)
外国産粗飼料の価格高騰による畜産農家の経営負担の緩和及び国産粗飼料の流通円滑化を図るための国産粗飼料の購入経費等の助成について、補助率を拡充
(補助率:3分の2→5分の4)
内水面養殖事業者の事業継続を支援するため、配合飼料の購入経費のうち、価格高騰分を支援
(補助率:5分の4)
林業経営体に対し、これまでの技術者育成研修や経営基盤強化、労働環境整備に向けた支援に加え、新たに経営課題を解決するための専門家派遣を実施
※なお、各事業の詳細な内容や開始時期については、改めてお知らせします。
問い合わせ先 産業労働局総務部企画調整課 電話 03-5320-4602 |
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