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報道発表資料  2024年03月29日  財務局

令和6年度予算の執行について(依命通達)

東京都副知事
潮田勉
宮坂学
中村倫治
栗岡祥一
(公印省略)

我が国の景気は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に加え、世界的な金融引締めに伴う影響や、中国経済の先行き懸念による海外景気の下振れリスクなど、今後の景気動向には、引き続き注視が必要である。
また、都の歳入の根幹をなす都税収入は、法人関係税収の占める割合が高く、元来、景気動向に左右されやすい不安定な構造にある。令和4年度は、企業収益が堅調に推移したこと等により、都税収入は増収となったものの、今後の景気動向の不透明性を踏まえると、現時点では、都の財政環境の先行きを見通すことは困難な状況にある。
こうした中、深刻化する気候危機や少子高齢化、国際競争力の低下など、我が国が先送りしてきた課題が先鋭的に現れており、不確かな時代において、都民が将来に希望を持ち、安心して暮らせる都市を実現するためにも、先手先手で持続可能な都市への変革に取り組み、未来を切り拓く政策を全力で推し進めなければならない。
とりわけ、都市の持続可能性を支えるため、「人」を育み、誰もがいつまでも輝ける真の成熟社会を実現することが不可欠であり、子育て世帯への全力でのサポートをはじめ、子供たちを安心して育める環境の整備、健康長寿社会を見据えた施策の推進、そして、女性が輝く社会の実現に向けた取組を強化していかなければならない。
また、「人」の力を存分に引き出し、活発な都市活動を支える土台は安全安心であり、豪雨対策やマンション防災に加え、富士山噴火による火山灰対策など、アップグレードされたTOKYO強靭(じん)化プロジェクトを踏まえた強靱(じん)で持続可能な都市への道筋を確かなものにしていかなければならない。
さらには、東京の強みを磨き上げることで、人や投資を呼び込み、厳しい国際競争を勝ち抜くため、イノベーションの原動力となるスタートアップへの支援や、国際金融都市としての環境整備を進めることはもとより、東京グリーンビズを次のステージへと進め、バラエティに富む東京の強みを「SusHi Tech Tokyo」の旗印の下、強力に発信することが重要である。
同時に、人類に立ちはだかる気候危機を前に、エネルギーの大消費地としてその責任を果たしていくため、東京のポテンシャルを活かした再生エネルギーの実装やサステナブルファイナンスの活性化、脱炭素の切り札とされる水素の利活用の活性化など、東京が我が国のエネルギー構造の転換を牽引し、2030年のカーボンハーフ、その先の「ゼロエミッション東京」の実現を確かなものにしていかなければならない。
このような状況にあって、都がなすべきことは、「『未来の東京』戦略」及び「シン・トセイ4 都政の構造改革QOSアップグレード戦略 version up 2024」に基づき、東京の未来を切り拓く取組と都政の構造改革を加速するとともに、創意工夫を凝らしてより一層無駄を無くすなど賢い支出を徹底することである。
こうしたことから、令和6年度予算は、変化する社会情勢の中、東京・日本の輝かしい未来を切り拓くため、産業や経済、社会の構造転換に挑み、一人ひとりが輝く明るい「未来の東京」を実現する予算として、
第一に、東京が日本の成長・発展を牽引し、持続可能な都市へと発展するため、「『人』が輝く」、「国際競争力の強化」、「安全・安心の確保」の観点から都市力を磨き抜く大胆な施策を積極的に展開すること。
第二に、都民が実感できるクオリティ・オブ・サービスの向上のため、デジタルによるサービス改革を深化させるなど、社会構造の変化を踏まえて制度や仕組みのアップグレードを図りながら、強靱(じん)で持続可能な財政基盤を堅持すること。
を基本として編成した。
令和6年度予算の執行に当たっては、人口減少社会を迎える中にあっても、持続可能な執行体制を構築し、都政のクオリティ・オブ・サービス向上を図れるよう、各局・各現場において業務の見直しに関する検討を迅速かつ強力に推進することが求められる。その上で、職員一人ひとりが、日々の業務において不断の改善を図り、時機を逸することなく、柔軟かつ的確に対応するとともに、一つひとつの事業について、効果を最大限に発揮させ、一層効率的な執行となるよう、積極的に取り組む必要がある。また、政策評価、事業評価及びグループ連携事業評価の取組を通じ、より成果重視の視点で具体的な事業の見直し等へとつなげていくことが重要である。
加えて、予算に計上した施策の効果を速やかに発現させ、都民・事業者等に対して一日も早く還元するため、従来の業務の進め方にとらわれず、計画や準備の前倒し、手続の短縮化など、あらゆる工夫を凝らし事業の迅速な執行を図ることで、令和7年度以降の施策実施の前倒しにもつなげるとともに、施策の内容を確実に周知し、利用されるものとするため、全庁を挙げて、都民等に届く戦略的な広報を一層推進することが特に重要である。そして、これらの取組による改善の方策を、令和6年度予算の執行のみならず、後年度の予算にも確実に反映させていかなければならない。
特に、物価高騰等が長期化し、都民生活や事業者の経営活動に深刻な影響を及ぼしていることを踏まえ、当初予算において重層的な支援策を強化している。今後も、刻一刻と変化する状況を適切に見極めながら、都民等にその効果を早期に還元していかなければならない。
また、「2024年問題」と言われる、物流や建設業界を中心に先鋭化する人手不足に対し、業界全体の業務効率化や人材確保を後押しするため、公共工事等の執行に当たっては、適切な工期の設定や施工時期の平準化に加え、工事関係書類の簡素化などの適切な取扱いやデジタル技術の活用など、発注者としての立場からより一層、働き方改革につながる負担軽減策に取り組むことが重要である。
よって、貴職におかれては、現下の都財政の状況と課題を職員に十分周知徹底し、下記の事項に留意の上、予算の執行に万全を期されたい。
この旨、命によって通達する。

第1 全般的事項

1 都の行う全ての事業について、予算執行の過程においても、政策評価、事業評価及びグループ連携事業評価の取組などを通じ、より成果重視の視点から施策の効率性や実効性を高める努力や工夫を徹底して行い、導き出された改善の方策等を事業計画や執行などに的確に反映していくこと。
また、政策評価、事業評価及びグループ連携事業評価の取組については、歳出はもとより、歳入や特別会計(準公営企業会計を含む。)についても、多面的な検証を行い、その結果を執行、歳入確保などに的確に反映していくこと。

2 「シン・トセイ4 都政の構造改革QOSアップグレード戦略 version up 2024」に掲げる都民が「実感」できるサービスの質向上など、「都政の構造改革」の取組における改革の基本理念や改革実践の視点を十分に踏まえ、予算の執行などに的確に反映していくこと。

3 予算の執行に当たっては、法令等の遵守はもとより、より良い都政の実現というコンプライアンスの観点から、事業内容について十分に検証し、その結果を的確に反映していくこと。

第2 歳出について

1 「令和6年度予算編成方針」を基本に、効率的な予算執行の観点から更に精査を行った上で、年間執行計画を策定すること。また、「『未来の東京』戦略」に基づく取組など、予算に計上した事業について、施策の効果を速やかに発現させ、一日も早く都民・事業者へ還元するため、あらゆる工夫を凝らし事業の迅速な執行を図るとともに、その目的が確実に達成できるよう着実な執行を図ること。
特に、物価高騰等対策については、今後も、状況の変化を適切に見極めながら、都民等にその効果を早期に還元していくこと。

2 事業の実施に当たっては、最少の経費をもって最大の効果が図れるよう、その経済性、効率性を確保することはもとより、都民ファーストの視点に立ち、あらゆる創意工夫により経費の一層の節減と都民サービスの更なる向上を図るなど、各局の責任の下で不断の見直しを行うこと。
加えて、施策の実効性の向上に向けて、都民や事業者等に積極的に施策の内容を周知するため、政策企画局と連携し、都民等に届く戦略的な広報を一層推進すること。

3 投資的経費については、都市強靱(じん)化に向けた取組や、便利で快適な交通・物流ネットワークの形成に向けた取組などに対し重点的に財源を配分したところであるが、執行に当たっては、品質の確保や事業者間における円滑な価格転嫁の促進に向けて、資材価格の急激な変動など、市場の動向を踏まえ予定価格を適正に設定するとともに、迅速な事業着手や施工時期等の平準化に加え、デジタル技術の活用など計画的な事業執行に努めること。
なお、国庫補助事業については、都への配分状況に十分留意すること。

4 政策連携団体については、多様な視点から経営改革を進めるとともに、効率的かつ効果的な事業執行を図るよう、適切な指導監督を行うこと。
また、都と政策連携団体が協働して実施している事業については、グループ連携事業評価と政策評価及び事業評価を一体的に行い、これまでの取組状況、成果等の分析・検証を進め、その結果を執行などに的確に反映していくこと。
さらに、政策連携団体以外の団体を通じて実施している都事業についても政策評価及び事業評価を行い、その結果を執行などに的確に反映していくこと。

5 不測の事態に備えるとともに、経費の更なる効率的執行を図るため、局において必要な経費の一部を保留すること。

第3 歳入について

1 都税収入については、経済の動向に留意しつつ、課税対象を的確に把握し、脱漏のないように努めることはもとより、区市町村との連携や機動的な組織運営によって、より一層滞納整理を促進するなど、税収確保に向けた取組を推進すること。

2 国庫支出金については、都市基盤の整備をはじめ、ハード・ソフト両面において首都東京が推進すべき取組の重要性を踏まえ国に十分な働き掛けを行い、需要に応じた配分が得られるよう努めること。
また、関係省庁に対し、財源調整措置の廃止など国庫支出金制度の改善合理化について引き続き強く要望することで、国庫補助金の内示に際し、不交付団体に対する特別な調整を行うことのないよう働き掛けること。

3 その他の収入についても、予算計上額を確保することはもとより、政策評価、事業評価及びグループ連携事業評価を行い、更なる収入確保の取組を進めることで、増収に向けて最大限の努力を図っていくこと。
また、貸付金に係る元利収入などの債権については、債権管理の一層の適正化を図ること。

第4 特別会計

特別会計(準公営企業会計を含む。)については、施策の効率性・実効性を一層向上させる観点から、政策評価、事業評価及びグループ連携事業評価を行い、その結果を執行などに的確に反映させていくこと。

第5 予算関係事案の処理について

1 予算関係事案のうち、次の各号のいずれかに該当するものを決定しようとする場合は、財務局に協議すること。

(1)次に掲げるものに係る事案

  • ア 都政運営に関する一般方針の確定
  • イ 都が執行すべき事務事業に係る基本的な方針及び計画の設定、変更及び廃止
  • ウ 成立した予算に係る事務事業についての基本的執行方針の決定
  • エ 成立した予算に係る局の事務事業についての執行計画の設定、変更及び廃止

(2)委託料の支出に係る事案のうち、調査委託等で別に財務局長が指定する事案
(3)落札差金及び設計差金の使用に係る事案
(4)用地会計による用地取得に係る事案
(5)前各号に掲げるもののほか、別に財務局長が指定する事案

2 財務局への協議は、知事決定事案については財務局長、局長決定事案については財務局主計部長、部長又は課長決定事案については財務局主計部各課長(財政課長、予算各課長及び公債課長)に対して行うこと。

問い合わせ先
財務局主計部財政課
電話 03-5388-2669

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