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報道発表資料  2024年05月30日  生活文化スポーツ局

東京都消費者被害救済委員会付託
「高齢者が次々に締結した住宅関連リフォーム工事等の契約に係る紛争」の解決を付託しました

都内の消費生活センターには、高齢者が自宅において、次々に住宅関連リフォーム工事等の勧誘を受けて契約を締結したことに伴う、トラブルの相談が多く寄せられています。
本日、知事は、東京都消費者被害救済委員会(会長 沖野眞已・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、標記紛争の解決を新たに付託しましたので、お知らせします。

付託案件の概要

申立人

80歳代 無職 一人暮らし

契約内容

1)トイレリフォーム2)水回り設備工事3)電気工事4)住宅メンテナンスサービス
(1)~3)の契約金額合計 約360万円、4)月々約6千円)

申立人の主張による紛争の概要

突然訪問してきた事業者に「何かお困りごとはないですか」と言われた。トイレの排水管が逆勾配であることが気になっていると打ち明けると、事業者はトイレを見て、私の言うとおりだと言い、便器の交換工事を勧誘し、その日は帰った。トイレの流れに問題はなく、困ってはいなかったが、下の階に迷惑を掛けないために、何らかの対応をした方がいいのではと思った。後日、この件で、事業者が、見積書を持って突然再訪してきたので、事業者に勧められるまま、工事契約を締結した。工事後、トイレを見ると、壁紙や床材も換えられていてあぜんとした。逆勾配が気になっていただけで、壁紙や床材まで換えるつもりは全くなかった。しかし、工事は済んでいたので、何も言わずに代金を支払った。
このあと、事業者から、水回り設備工事、電気工事、住宅メンテナンスサービスと次々に勧誘され、言われるままに契約書面に署名した。工事の必要性や詳細について、十分な説明がなく全く分からないまま契約したので、工事内容が分かったのは工事後で、施工もずさんだった。
全ての工事が済み代金を支払ったあと、経緯を知った親戚に勧められ、消費生活センターに相談したところ、契約書面に不備があるので、クーリング・オフが可能だろうとアドバイスされた。全ての契約について、クーリング・オフ通知を出したが、事業者は全額返金を認めず、一部返金を提案してきた。納得がいかない。

画像

消費者被害に関する注意喚起

  • 突然訪問してきた事業者から「困ったことはないですか」などと聞かれても、安易に「見てほしい」と事業者に依頼したり、家に上げたりせず、慎重に対応しましょう。
  • 工事を勧められても、その場ですぐに契約せずに、家族や身近な人に相談し、複数の事業者から見積りをとって工事の必要性、内容、金額等を十分に検討しましょう。
  • 想定外の高額な請求に困ったり、トラブルになった場合は、早めに消費生活センターにご相談ください。(消費者ホットライン「188」局番なし)

付託理由

都内の消費生活センターには、いわゆる「次々販売【注1】」に関する相談が多く寄せられており、中でも「工事・建築」の「訪問販売」に関する相談は114件と多くなっています。これを年齢別で見ると、契約当事者が高齢者(60歳以上)である割合が非常に高く、昨年度は約9割を占め、その平均契約金額も増加傾向であり、被害が拡大しています(いずれも2023年度の速報値)。
本件を解決することにより、解決に当たっての考え方を広く示し、同種の消費者被害の防止と救済を図るため、本件を付託しました。

【注1】次々販売…一事業者又は複数の事業者が一人の消費者に次から次へと商品売買や役務提供の契約をさせる販売方法

グラフの画像
※1 「次々販売」「工事・建築」「訪問販売」のキーワードで検索
※2 2023年度は速報値

主な問題点

  1. 事業者は、高齢者である申立人宅を突然訪問し、申立人が希望していないにもかかわらず、トイレのリフォーム工事を勧誘し、契約を締結した。その工事を行った日に、別の水回り設備工事を勧誘し、契約を締結した。さらに、水回り工事のために申立人宅を訪問した際も、電気工事及び住宅メンテナンスサービスを勧誘し、契約を締結した。いずれの契約も申立人が要請したものではなく、事業者から勧誘があったものであるが、工事の必要性や詳細についての説明がなく、申立人はよく分からないまま高額な契約に至っている。このように、高齢者を相手に、工事の必要性や詳細を十分に説明することなく、次から次に住宅関連リフォーム工事等を勧誘する方法は問題があるのではないか。
  2. 本件の一連の契約は、営業所以外の場所である自宅で契約を締結したものであり、いずれも特定商取引に関する法律に規定する訪問販売に該当すると考えられる。相手方が交付した契約書面は、役務の種類、商品の名称・商標・型式、契約の解除に関する事項等、特定商取引に関する法律に規定する書面に記載すべき事項について、十分に記載していないおそれがある。同法に基づき、訪問販売のクーリング・オフによる契約解除が可能ではないか。

東京都消費者被害救済委員会における今後の処理

東京都消費者被害救済委員会とは

東京都消費生活条例に基づき設置された知事の附属機関で、弁護士や大学教授などの学識経験者、消費者団体の代表及び事業者団体の代表で構成されています。
都内の消費生活センター等の相談機関に寄せられた消費生活相談のうち、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行います。

委員会に付託すると

委員数名による部会を構成し同部会で審議を行います。両当事者から話を聴き、公正な解決策を検討し、両当事者にあっせん案として提示します。両当事者が受諾すれば解決となります。あっせん案の考え方は当該紛争だけでなく、他の類似紛争の解決にも役立つことから、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせしています。

委員は別紙(PDF:66KB)のとおり

紛争処理実績はこちらから

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詳しくは「東京くらしWEB」をご覧ください。

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問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
電話 03-3235-4155

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