ここから本文です。
2024年08月06日 建設局, (公財)東京動物園協会
多摩動物公園(園長 渡部浩文)では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)からトキを預かり、非公開での飼育を行っています。
今年も飼育中のトキが産卵し、当園では、7羽が無事に育っていますので、お知らせします。
なお、当園以外の6施設【注】でも繁殖に取り組んでおり、現在のところ、当園含め31羽が育っています。
【注】5の「日本国内の飼育状況」の各施設参照
CQペアと巣立ったヒナ
(左から雛3羽とCQペアオス)
(撮影日:2024年6月3日)
※CRペアのメスは新潟県長岡市生まれ、その他は佐渡トキ保護センター生まれ
飼育中の各ペアのヒナ計7羽が育っています。
鳥の繁殖には産卵後に卵を巣から取り上げて人工的に孵卵器(ふらんき)で孵化させる「人工孵化」と巣の中で孵化させる「自然孵化」があり、ヒナの育成には人の手で育てる「人工育雛(いくすう)」と親が育てる「自然育雛」があります。
No. | 両親 | 産卵日 | 孵化日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | CQペア | 3月21日 | 4月18日 | 自然孵化・自然育雛 |
2 | CQペア | 3月23日 | 4月19日 | 自然孵化・自然育雛 |
3 | CQペア | 3月26日 | 4月22日 | 自然孵化・自然育雛(一部人工育雛) |
4 | CQペア | 3月29日 | 4月26日 | 自然孵化・自然育雛(一部人工育雛) |
5 | CHペア | 4月2日 | 4月30日 | 人工孵化・自然育雛(一部人工育雛) |
6 | CRペア | 4月20日 | 5月18日 | 人工孵化・自然育雛(一部人工育雛) |
7 | CRペア | 4月24日 | 5月23日 | 人工孵化・自然育雛(一部人工育雛) |
単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生に伴い全滅するおそれがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
都立動物園は、40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園において2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。
環境省の飼育方針により非公開で飼育しており、ご覧いただくことはできません。また飼育舎内の取材はできませんのでご了承ください。
合計175羽(うち2024年生 31羽)
絶滅危惧1A類(CR)、国の特別天然記念物、国際保護鳥、東京都ズーストック種
※「1A類」の数字の正しい表記はローマ数字です。
Nipponia nippon
Crested Ibis
野生のトキは、20世紀初頭には中国や朝鮮半島、台湾、日本などの東アジア一帯やロシア東部に広く分布しており、決して珍しい鳥ではありませんでした。江戸時代の日本でも北海道から九州までほぼ全国に生息していました。しかし乱獲と生息環境の悪化により東アジア一帯で減少が進み、中国を除き一旦絶滅しました。その後の保護活動や野生復帰の取組みなどにより、現在では中国陝西省の洋県と寧陝県付近、韓国南東部、および新潟県佐渡付近にのみ、野生のトキが見られます。
水田や湿地、川など
一年中ほぼ同じ場所に生息し、非繁殖期には群れをつくって集団で生活します。ドジョウ、サワガニ、カエル、タニシ、昆虫など、もっぱら動物性のエサを食べます。
1月頃、首から背中がグレーの繁殖羽に変わり、ペアでの交尾が確認されるようになります。大木に小枝を組んだ直径60~80センチメートル程度の巣をつくり、3月頃には産卵を開始します。卵は1日おきに1個ずつ、合計3個から4個を産卵します。有精卵だった場合、孵化までの日数は28日ほど。孵化後約35~45日で巣立ちを迎えます。
問い合わせ先 (公財)東京動物園協会 多摩動物公園教育普及課 電話 042-591-1611(代表 ※17時00分まで) Eメール tama_kouhou(at)tzps.or.jp 建設局公園緑地部計画課 電話 03-5320-5374 Eメール S0000380(at)section.metro.tokyo.jp ※迷惑メール対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。 お手数ですが、(at)を@に置き換えてご利用ください。 |
Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.