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2024年09月13日 生活文化スポーツ局
東京都は今年度より、工事現場の仮囲いなどをキャンバスに見立て、街にアートの景色を広げていく文化プロジェクト「TOKYO CITY CANVAS」に取り組んでいます。
プロジェクトの第2弾として、都庁第一本庁舎エントランス前に巨大アート空間を出現させます。
西新宿の一帯がかつて「淀橋浄水場」の水底だったことに着想し、水に関する様々な文様を組み合わせた、アーティスト大巻伸嗣(おおまきしんじ)による新作アートです。
水の流れをモチーフにしたデザインは、多くの人々が交差する都庁から生まれる大きなうねりを表現し、デザインにミラーシートを使用することで、水面の輝きや反射、空間の立体感と明るさを生み出しています。
この地の歴史と記憶をとらえた大規模アートプロジェクトを是非ご覧ください。
みずのはし
大巻伸嗣(おおまきしんじ)
東京都庁第一本庁舎1階中央エントランス前(新宿区西新宿2-8-1)
高さ3メートル×幅延べ約120メートル
高さ約3.4メートル×13本
令和6年9月下旬から令和7年2月末まで
作品を印刷したシートを掲出面に貼付
Pic by paul barbera / where they create
2024 日比谷公園「Gravity and Grace」
あいちトリエンナーレ
東京都庁舎のある西新宿エリアには、1965年まで「淀橋浄水場」がありました。疫病対策のため、都市化に伴う水道インフラ整備が急務となり、玉川上水から流れ込む水が東京の生活を支えていました。現在は溜池の構造を生かしたビル街に変貌し、都庁がそびえ、多様な人々が交差する場所となっています。
この場所に、消えた記憶の風景として、これまで採集した水に関する文様を組み合わせ、大きなうねりを生み出したいと考えました。日本において水は身近で利用するものであり、時には畏怖の対象でもあります。幕末から明治にかけて集められた水の紋様には、力強さ、しなやかさ、儚さなど、様々な情緒が表現されています。
ここでは日々、異なる国や地域から訪れる観光客や東京に住む人々が交差し、無数の記憶が積み重なります。人と人、記憶、文化が混ざり合い、連なる大きなうねりを表現し、この場所の持つ意味を象徴する時空間を創り出したいと考えました。
都市開発が進む中で、その土地が本来持っていた空間性や地形、歴史、そして人々の記憶はしばしば失われてしまいます。しかし、このプロジェクトを通じて、アートがその記憶や歴史を掘り起こし、人々と場所とのつながりを再び感じられるようにしたいと考えています。アートが過去と現在をつなぐ架け橋となり、都市の新たな物語を紡ぎ出すことを目指します。
変化し続ける都市の空間にアーティストの活躍の場を広げ、隠された可能性に創造性を注ぎこみ、無機質だった街の一角を彩るアートプロジェクトです。誰もが身近にアートを楽しめる環境づくりと、アーティストの活躍の場拡大に向け、都有施設で都が実施する事業と、民間事業者への助成の2つの柱で、今後も都内各地でプロジェクトを展開していきます。
Photo:@2024 Iku Harada
本件は、「『未来の東京』戦略」を推進する事業です。
戦略15 文化・エンターテインメント都市戦略
問い合わせ先 生活文化スポーツ局文化振興部企画調整課 電話 03-5000-7227 |
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