2024年10月24日
保健医療局
都民の化学物質等摂取状況の調査結果について
化学物質保健対策分科会を開催しました
東京都は、環境中の有害化学物質などから都民の健康を守るため、化学物質のばく露量等について調査を行っています。
昨日、「東京都環境保健対策専門委員会化学物質保健対策分科会」【注1】を開催し、令和5年度の調査結果について検討を行いましたので、お知らせします。
結果の概要は以下の1から4までのとおりであり、今回調査を行った化学物質等について、都民が食事を介して摂取する量は、ヒトへの健康影響が懸念されるレベルではありませんでした。
【注1】東京都環境保健対策専門委員会化学物質保健対策分科会
東京都では、環境保健に係る諸問題を検討し、その対策を樹立するため「東京都環境保健対策専門委員会」を設置している。その中で、化学物質保健対策について調査審議するために設置された分科会。
1 通常の食事からの化学物質等摂取量(推計)は、耐容一日摂取量【注2】等を下回った。
- 残留農薬の一日摂取量は、検出された各農薬の一日摂取許容量(ADI)を下回った。
- PCB、重金属(メチル水銀、カドミウム)の一日摂取量は、各物質とも耐容一日摂取量等を下回った。
- 放射性セシウムから受ける年間放射線量は、現行の食品における基準値の設定根拠である1mSv【注3】/yearを下回った。
【注2】耐容一日摂取量
ダイオキシン類など、意図的に使用されていないにもかかわらず、食品に存在したり、食品を汚染したりする物質に設定される。人がある物質の一定量を一生涯にわたり摂取しつづけても、健康への悪影響がないとされる一日当たりの摂取量であり、ダイオキシン類については、「ダイオキシン類対策特別措置法」で4pg-TEQ/kg・bw/dayと定められている。なお、WHOは、究極的な目標として1pg-TEQ/kg・bw/day未満まで摂取量を削減するよう勧告している。
【注3】Sv(シーベルト)
人間が放射線を受けた場合の影響度を示す単位
資料1(PDF:403KB)
2 ダイオキシン類の総ばく露量(推計)は、食事からの摂取量に、一般的な生活環境(水、大気、土壌)からのばく露量をあわせても、耐容一日摂取量を下回った。
- 一般的な生活環境における水、大気、土壌から人体にばく露される量は、0.0050pg-TEQ/kg・bw/day【注4】となった。食事からの摂取量を加えても0.44pg-TEQ/kg・bw/dayとなり、耐容一日摂取量(4pg-TEQ/kg・bw/day)を下回った。
- 調査を開始した平成11年度の調査結果2.00pg-TEQ/kg・bw/dayの22%であった。
【注4】pg-TEQ/kg・bw/day
- pg(ピコグラム)
一兆分の1グラム(1g=1012pg)
- TEQ(毒性等量)
毒性等価係数(ダイオキシン類の中で最も毒性の強い2,3,7,8- 四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-Tetra-CDD)の毒性を1として、他のダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数)を用いて、ダイオキシン類の毒性を総計した値を示す単位。
- /kg・bw/day
一日当たり体重1kg当たりの量
資料2(PDF:295KB)
3 東京湾産魚介類からのダイオキシン類等摂取量(推計)は、耐容一日摂取量等を下回った。
- 東京湾産の魚介類のダイオキシン類平均濃度を基にした試算では、これらを調理加工せず生食すると仮定した場合でも、食事から取り込まれるダイオキシン類の体重1kg当たりの一日摂取量は0.64pg-TEQ/kg・bw/dayとなった。上記2の一般的な生活環境(水、大気、土壌)からのばく露推計量を合わせても、耐容一日摂取量(4pg-TEQ/kg・bw/day)を下回った。
- PCB等の化学物質が検出されたが、いずれも食品衛生法の残留基準値等を下回った。
資料3(PDF:235KB)
4 流通魚介類からのPCB等化学物質の検出値は、食品安全上問題となる値ではなかった。
- 流通魚介類からPCB、有機スズ化合物(TBTO、TPT)、有機塩素系農薬であるドリン類及びクロルデン類が検出されたが、いずれも食品衛生法の残留基準値等を下回った。
資料4(PDF:211KB)
問い合わせ先
(1及び2について)
保健医療局健康安全部環境保健衛生課
電話 03-5320-4493
(3及び4について)
保健医療局健康安全部食品監視課
電話 03-5320-4456 |