障害及び障害のある方への理解促進について(自由意見)
Q17 障害及び障害のある方への理解促進について意見をご自由にお書きください。
(n=410)
- 障害及び障害者に関すること…201件
- 教育(学校・職場)に関すること…92件
- 東京都・行政に望むこと…65件
- ヘルプマーク・ヘルプカードに関すること…39件
- バリアフリーに関すること…7件
- その他…6件
主なご意見
(1) 障害及び障害者に関すること…201件
- まだまだ障害者に対しての差別が残っているので、障害者が健常者と同じような生活をすることが、今後も求められると思う。また、障害者の方を見かけても、自分が手伝ってよいのか、余計なお世話にならないのか、とても不安で援助をためらってしまう人も多くいるだろう。援助やお声掛けの仕方などを教える機会を提供すべきなのではないか。
(男性、10代、江東区)
- 障害によって十分に力が発揮できない方には手を差し伸べて、事実上の平等を図ることは大事だと考える。一方で、これはよい意味でも悪い意味でもいえるが、一人ひとりのニーズを汲み取るのが大事と思う。それによって不十分な人に対しては支援を厚くすべきだが、過剰なサービス等を強要する人に対しては毅然と「できません」と言える環境も構築できればと思う。都民全員が善良な市民とは言えない。意地悪で差別的な考えを持つ人もいる。完全には是正できないが、個々が自分のことだけに精一杯の社会ではなく、心に余裕やゆとりを持ちやすい社会へと発展すれば、自然と思いやりや機会平等の東京に近づいて行くと感じる。
(女性、20代、品川区)
- 私は、現在、会社員だが、身近にいないから接し方が分からない。祖父は片手がなく、障害者手帳を持っていたが、自分のことは自分でできる人で、手が片方ないだけの「普通の人」だった。身体障害、知的障害、精神障害とそれぞれで対応が異なってくるのだろうが、「平等に接しましょう」といったざっくりした教育しか受けてきていない。職場で合理的配慮の研修は受けたが、実際に接してみないと分からない。そういった機会が持てると理解促進につながると思う。
(男性、20代、北区)
- 例えば、日常生活、それは交通移動であったり、都市空間でほんの1~2センチメートルの段差が、車椅子の方には大きな障壁だったりすることを見受けます。できることから、身近なるころから、自身も取り組んでいけたらと考えます。
(男性、30代、江東区)
- 他人のことを理解するのは難しい。健常と言われている人同士でも考え方が違う。障害がある人の不自由さを少しでも理解するためには、その人がどのような行動がとれるのかを知ることが必要だと思う。色々な考え方の人がいるということを、成長と共に分かっていくように、行動などに制限がある人がいるということを、小さいうちから知っているのが理解促進に役立つと思う。「障害者がいて当たり前」の街を整備するなら、小学校もその環境にする。町や施設を整備する前に、様々な人が一緒に生活していける行動を子供のうちから身に付けられればいいのではないだろうか。障害者、健常者と分けない教育は手間がかかるかもしれない。だからこそ、そこへの支援を行政が行ってほしい。色々な人がいる環境を小さい頃から経験し、どのようにすればお互い過ごしやすいかを考えていける人間が多く育つこと、それが障害及び障害がある人への一番の理解促進になると思う。
(女性、40代、国立市)
- 障害に対しての認識をすることが公共の場でよくあります。例えば、電車内で席を譲るべきかどうかを考えたこともあります。また、障害者自身はどう接してほしいのかも考えさせられました。自分だけの身勝手な判断ではなく、もっと生の声を聞いて、知識や情報を身に付けられるような場があれば、健常者と障害者の共生できる、より望ましい社会が生まれるのではないかと思います。
(男性、40代、目黒区)
- 障害者は特別だ、自分とは別世界の人だという認識を捨て、誰もが皆何かしら不便さや足りない部分があるのを、皆で助け合って、補って、過ごしやすくしていこうというのが文明社会なのだということを、学校教育やメディア等で広めてほしい。「障害及び障害のある方への理解」というと完全に分断されている印象を受ける。私は精神障害のある患者さんに、いつも慰められ励まされています。
(女性、50代、足立区)
- 健常者に車椅子に乗って移動してもらう体験会とか、本当に経験しないと、どれほど不便かが正確に伝わらないと思います。そういうイベントを時々開催すると理解が広がると思います。知識だけでは、どうしても面倒だったりとか、あまり関わりたくないとか、そういう事柄が、今でもたまに報道されるぐらいです。どれほど障害者の方が移動一つとっても大変なのかを理解できる、体験型のイベントをどんどん開催していただきたい。
(男性、50代、中央区)
- 理想はいくらでも言えるが、現実の問題となった時には、一概に言うのは難しい。健常者、障害のある方、双方の歩み寄りが必要。障害のある方の優先を当然とすることにより、健常者の一部の人が弾き出される場合もあり得る。その弾き出された人の行き先をどうするつもりなのか、行政の考え方を知りたい。
(女性、60代、目黒区)
- 居住地の近くに、障害者施設や特別支援学校、福祉作業所等があり、様々な障害を持つ方達との触れ合いやボランティアの体験を通して、自分自身が成長できたと感じています。多くの人達がこのような機会を持つことができれば、障害のある方々への理解が進むのではないかと思います。
(女性、70歳以上、清瀬市)
- 義妹が全盲の障害者ですが、前向きで自立心が強く、弱者扱いのサポートにはかえってアレルギーがあります。障害者に接する場合は、健常者に接する場合と同様に、「障害を意識しない」姿勢が必要かと思います。
(男性、70歳以上、練馬区)
- 東京オリンピック・パラリンピックを契機に、おもてなし精神と共に障害に関する理解が進むことに期待します。
(男性、70歳以上、調布市)
(2) 教育(学校・職場)に関すること…92件
- 成年に普及啓発することは必要だが、偏見が入ったり、時間を割いてまで、なかなか気に留めたり学べない気がするので、初等教育、中等教育の現場で注力した方がよいと思う。
(女性、10代、小平市)
- 東京オリンピックのフィールドキャスト研修で、「障害とは障害者が有するものではなく、特定の人が生活する上で障害となるもののことを指す」と学びました。その研修で見たビデオで、障害のある方にとっては、それが自分自身であり何も特別なことはないのに、社会生活において様々なハンデがある、という現状に、より強い問題意識を感じました。このようなことを学ぶ機会が多くの人にあれば、社会全体で障害となるものを取り除こうという意識が生まれ、設備も整うし助け合いも増えると思います。そのため、障害に関する教育や啓発活動が重要だと考えます。
(男性、10代、世田谷区)
- 障がい者に対する差別の問題は非常に難しいものだと思う。というのも、私自身街中で障がいを持つ方を見かけた際、どうしても偏見の目で見てしまう。成人してある程度自身の価値観が出来上がった者に対して、いくら啓発活動を行ったところで、根本的な価値観は早々変わるものではなく、それこそ幼稚園・小学校低学年から障がい者と向き合い、どんな人間に対しても尊敬の念を持ち、愛情を分け与えられるような教育を施すべきだと考える。
(女性、20代、日野市)
- 高校生のときに、支援施設に行き、書道パフォーマンスをしたことがあります。あまり普段関わることはありませんが、私たちのパフォーマンスに喜んでくださったり、一緒に書道をしたのを今でも覚えています。小さな関わりが、私たちのどこかにある差別的な考え方を払拭してくれると考えています。学校教育等で取り入れることは大切だと思います。
(男性、20代、足立区)
- 知人に事故で車椅子を使うようになった人がいるが、本人もそれまで、障害者について偏見を持っていたと言っていた。私自身も障害者は特別と感じている節があったが、知人と知り合うことで、障害者もそうでない人もそう変わりはなく、単に障害により普通の人よりできないことがあるだけである、ということが分かった。小さいころから教育することが大事だと思うが、教科書的に学ぶのではなく、障害者と接する機会を設け、彼らの話を聞くことで、差別・偏見を無くしていけるのではないかと感じている。
(男性、30代、三鷹市)
- 私は企業で働く社会人なので、職場の研修などを通じて理解を深め、どう行動すべきかを考える機会をもらっていますが、そういった環境にない方は、スポーツイベントや文化的イベントなどを通じて情報に触れる機会を作り、自ら考えるということをしない限りは、上辺だけの理解にとどまると思います。理解していると思っていても、実際に必要な行動は違っていたりします。障害のある方がどう感じているのかなど、生の声を聞ける機会があるとよいと思います。
(女性、40代、中央区)
- 子供が知的障害者です。障害者とは「健常者の代わりにたまたま今の世の中で少数派になっている人」だと思っています。理解促進には知識が必要です。最近は小学校などでも障害者への教育も進んできているようですが、早いうちから「色んな人がいるけど皆一緒に生きている」と教育しておけば、数年先には、障害者への理解も進むのではないかと思います。
(男性、40代、西東京市)
- 以前、職場に障害者の方が入社してきて、慣れていなかったメンバーが、悪意はないが障害者の方が傷つくような発言や態度をしてしまったことがあった。やはり経験がないと、なかなか気がつかないこともある。その後、職場でも勉強会を開いたりすることで、そういった対応は少なくなっていった。とはいえ、耳が不自由な方がいらっしゃる場合の会議など、すべてをその方に合わせると時間がかかってしまうので、同僚がケアするなどしていたが、やはり皆平等にするのは「効率」を最大に求められている業務においては、なかなか厳しいものがある。まだまだ改善すべきところはたくさんあると日々思っている。幼少期からの教育において、障害者教育も取り込めるとよいのではと思う。
(女性、50代、港区)
- 普段、外出時に障害のある方を見かけた時に、もしも困っていたら、声を掛けて手助けをしたいと考えているが、正直、どのように対応してよいか戸惑ってしまう。というのは対応の仕方がよく分からないことがあるからだ。障害の程度、状態により、対応の仕方が違うかと思うが、知識がない。従っていろいろな形での啓発をもっとするべきだと思う。まずは、小学校、中学校からの教育現場での啓発。次は、テレビ、新聞等のメディアでの広報。このような活動の結果、日常、素直な気持ちで、障害のある方に対応ができると思う。
(男性、60代、台東区)
(3) 東京都・行政に望むこと…65件
- 障害のある方への理解・促進については、まず当事者の声を聴くのがいいと思う。具体的にどんなことで困っているのか、苦しんでいるのかを把握し、そのために都としては何ができるのかを考えていくべきである。
(女性、30代、豊島区)
- 東京都や国などが、理解促進だと言ってわざわざPRするのに違和感がある。生活の中に、障害のある方もない方も溶け込んで生活できれば、それが普通になって行くのだから、環境整備は必要だが、広報を積極的にやるのは違う気がする。自治体や国が積極的に雇用したり、環境を整えれば、目にする機会は増えるし、わざわざ教育だと言わなくても、身近に障害のある人がいる子供は、その状態に違和感なく大人になると思う。実際に今の子供は多目的トイレに違和感はない。目にする機会が多いし、今の世の中では当然だから。条例も大事だし、たくさんの人に理解してもらうことも必要だけど、イベントやメディアなど広報活動にお金をかけるより、もっともっとどんな人でも生活しやすい社会になるような環境整備やサービスの拡充に力を注いでもらいたい。
(男性、30代、西東京市)
- 必要以上に過保護の状態にすると、かえって逆の効果(弊害)を生み出してしまう気がするので、これらの取組は慎重にするべきだと思います。一方で、取組を本当に必要としている人もいることも確かですので、確実に進めていただきたいです。
(女性、40代、多摩市)
- 発達障害者は、行政機関や民間企業に、誤解を受けやすいため、クレーマー扱いされやすく、差別的な取り扱いを受けやすい。また、学校教育の場で、いじめの標的になりやすい。発達障害者の人権擁護のための、人権救済申出制度と、人権救済機関を東京都が設けてほしい。また、公立学校で、発達障害者への理解促進の授業を義務化し、教師全員が発達障害への理解を専門的に深化させるよう毎年研修を義務化する。行政機関や運輸機関などで、発達障害者を差別した取り扱いがあった場合には、各種処分や人権救済、賠償が図られるようにすべき。都庁や特別区や、民間企業が、正職員、正社員として、発達障害者を積極的に雇用すべき。
(男性、40代、江東区)
- 例えば、街中で障害のある方にどんな手助けをすればよいのか、あるいは場合によって、何もしない方がよいのか、よく分からないです。障害のある方にとって、してほしいこと、してほしくないことなどを、健常者に対して具体的に啓発する取組を公的機関に望みます。
(女性、60代、稲城市)
- 重要性については分かっているつもりでいるが、身近にそのような方がいないと、なかなか実情が分かりにくく、情報も入ってきづらい。今回のアンケートで、東京都でもかなりの取組を進めていることが分かる、自分自身、もっと関心を持たなければと思った。誰もがより関心を持ち、理解を深め、自分の問題として取り組んでいけるように、公的機関でも、さらなる情報発信の強化をお願いしたい。
(女性、70歳以上、品川区)
(4) ヘルプマーク・ヘルプカードに関すること…39件
- 赤いヘルプカードは目に付くし、とても良い取組だと思う。インスタやツイッターなどで、どんどん広めていってほしいと思う。
(女性、40代、新宿区)
- 最近よく「ヘルプマーク」を所持している方々を見かけます。しかし、何をどう手助けしたら良いのかがわからないというのが現状です。
(女性、50代、板橋区)
(5) バリアフリーに関すること…7件
- 駅や電車などで杖をついていたり車椅子の方を見かけることがあります。残念ながら、都内の駅はバリアフリーや介助できる人員など十分ではない状況かと察せられます。まずは公共交通機関の利用におけるバリアフリーやボランティアなどの活用による介助体制のより一層の充実に取り組むべきなのではないでしょうか。来年の東京オリンピックやパラリンピックの開催に際しても、東京として海外からのお客様への接遇に大事な点かと考えております。
(男性、40代、練馬区)
- 公共機関で障害者へのバリアフリー化、トイレ、エスカレーター、車椅子用の道幅確保、シルバーシート、大きな文字による案内表示などの強化を望みます。
(男性、60代、渋谷区)
(6) その他…6件
- 障害のあるなしに関わらず、皆が心に余裕を持ち、周りの人間に優しくできる社会になることが理想的だと思います。
(男性、30代、武蔵野市)