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報道発表資料  2021年09月06日  環境局

2020年度(令和2年度) 大気汚染状況の測定結果について

東京都及び八王子市は、都内の大気汚染の状況を把握するため、大気汚染防止法に基づき、住宅地域等に設置している一般環境大気測定局(以下「一般局」という。)47局と、道路沿道に設置している自動車排出ガス測定局(以下「自排局」という。)35局で大気汚染状況の常時監視を行っています。
また、ベンゼン、トリクロロエチレン等28物質の有害大気汚染物質の濃度を把握するため、月一回14か所の測定局で調査しています。
このたび、2020年度の測定結果がまとまりましたので、お知らせします。2020年度は、2019年度に引き続き、すべての測定局で微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準を達成しました。

1 環境基準等の達成状況(表1、図2)

(1)二酸化窒素(NO2)

  • 一般局では、15年連続ですべての測定局で達成しました。
  • 自排局【注1】では、3年連続ですべての測定局で達成しました。

(2)浮遊粒子状物質(SPM)

  • 3年連続ですべての測定局で達成しました。

(3)微小粒子状物質(PM2.5)

  • 昨年度に引き続き一般局(46局【注2】)及び自排局(34局)のすべてで達成し、達成率は100%でした。
  • 「東京都環境基本計画」の目標「2024年までに、PM2.5の環境基準達成率を100%に向上させる」を達成しました。

(4)光化学オキシダント(Ox)

  • すべての測定局において達成しませんでした。
  • 都が「東京都環境基本計画」で定めた目標【注3】についても、すべての測定局において達成しませんでした(表5)。

(5)二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)

  • 1988年度以降、すべての測定局で達成しています。(2000年度の三宅島噴火による影響を除く。)

(6)ベンゼン(Bz)、トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)及びジクロロメタン(DCM)

  • 2004年度以降、すべての測定局で達成しています。

【注1】自排局の局数については、休止中の玉川通り上馬局を除いている。
【注2】一般局の局数については、休止中の小金井市本町局を除いている。ただし、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンについては、小金井市貫井北町で引き続き測定を実施し、環境基準の評価対象としている。
【注3】光化学オキシダント年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均:0.07ppm以下

2 年平均濃度の経年変化(図1)

(1)二酸化窒素(NO2)

  • 一般局、自排局ともに引き続き低下傾向を示しています。

(2)浮遊粒子状物質(SPM)

  • 一般局、自排局ともに引き続き低下傾向を示しています。自排局の低減が進み、一般局との濃度差が少ない状況が続いています。これはディーゼル車規制の効果と考えられます。

(3)微小粒子状物質(PM2.5)

  • 2011年度以降低下傾向が見られます。

(4)光化学オキシダント(Ox)

  • 年度による変動はあるものの、横ばいの状況が続いています。

3 測定結果から見た大気環境の特徴と課題

(1)二酸化窒素(NO2)

一般局では2014年度以降、すべての測定局で環境基準を達成し、自排局でも2004年度に47%であった達成率が2010年度以降は90%以上で推移し、2018年度以降は100%となりました(図2)。
継続してすべての測定局で基準が達成できるように、都では自動車排出ガス対策、法令の規制対象外である小規模燃焼機器の排ガス対策等に引き続き取り組んでいきます。

(2)浮遊粒子状物質(SPM)

一般局、自排局とも5年連続すべての測定局で環境基準を達成しました。2004年度以降は気象的な要因を除き、概ね環境基準を達成しており改善が大幅に進んでいます(図2)。
継続してすべての測定局で基準が達成できるように、都では、工場、廃棄物焼却炉などの固定発生源対策やディーゼル車対策に引き続き取り組んでいきます。

(3)微小粒子状物質(PM2.5)

都内の全80局(一般局46局(休止中の小金井市本町局を除く。)、自排局34局(休止中の玉川通り上馬局を除く。))で測定を行いました。
環境基準の達成状況をみると、長期基準及び短期基準についていずれも、一般局と自排局すべて(一般局46局及び自排局34局)で、昨年度に引き続き基準を達成しました(表3)。
2020年度の年平均濃度は、一般局が9.8μg/立方メートル、自排局が10.5μg/立方メートルとそれぞれ前年度に比べ低下しました(表2)。
なお、国の定めた注意喚起のための暫定指針値(一般局の1日平均値70μg/立方メートル)を超えた日は1日もありませんでした。PM2.5の環境基準が設定されて以降、都内の一般局では一度も暫定指針値を超えた日はありません。
都は、工場、廃棄物焼却炉などの固定発生源対策やディーゼル車対策に引き続き取り組むとともに大気中で二次的に生成するPM2.5の原因物質(揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)等)の排出削減対策に、国や近隣自治体と連携して取り組んでいきます。

(4)光化学オキシダント(Ox)

夏季の光化学スモッグ注意報発令日数は6日でした(図3、表4)。光化学スモッグによる被害の届け出はありませんでした(表4)。
また、0.12ppm以上の高濃度となった時間数は、増減はあるもの、概ね2000年度頃からの減少傾向は変わらず、低下する傾向にあります(図4)。
なお、光化学オキシダントの長期的な変化を評価するための年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均で見ると、増減はあるものの2002年度をピークに微減傾向がうかがわれます。「環境基本計画」の目標については全局で未達成の状況です(表5、図5、参考3))。
都は、光化学オキシダントの原因となる揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)の排出削減対策に、国や近隣自治体と連携して取り組んでいきます。

表1 環境基準の達成状況

項目 一般局(General St.) 自排局(Roadside St.)
FY 2020/令和2年度 FY 2019/令和元年度 FY 2020/令和2年度 FY 2019/令和元年度
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
二酸化窒素(NO2) 43/43 100 43/43 100 34/34 100 34/34 100
浮遊粒子状物質(SPM) 46/46 100 46/46 100 34/34 100 34/34 100
微小粒子状物質(PM2.5) 46/46 100 46/46 100 34/34 100 34/34 100
光化学オキシダント(Ox) 0/40 0 0/40 0 - - - -
二酸化硫黄(SO2) 20/20 100 20/20 100 5/5 100 5/5 100
一酸化炭素(CO) 10/10 100 10/10 100 16/16 100 16/16 100
ベンゼン(Bz) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100
トリクロロエチレン(TCE) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100
テトラクロロエチレン(PCE) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100
ジクロロメタン(DCM) 12/12 100 12/12 100 2/2 100 2/2 100

表2 大気汚染物質の年平均濃度

(単位:ppm ただし、浮遊粒子状物質、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンはミリグラム/立方メートル、微小粒子状物質はμg/立方メートル)

項目 一般局(General St.) 自排局(Roadside St.)
[環境基準【注4】] FY 2020/令和2年度 FY 2019/令和元年度 FY 2020/令和2年度 FY 2019/令和元年度
二酸化窒素(NO2)[0.06] 0.013 0.014 0.018 0.02
浮遊粒子状物質(SPM)[0.10] 0.014 0.016 0.016 0.017
微小粒子状物質(PM2.5)[15] 9.8 10.5 10.5 11.2
光化学オキシダント(Ox)【注5】[0.06] 0.031 0.032 - -
二酸化硫黄(SO2)[0.04] 0.001 0.001 0.001 0.001
一酸化炭素(CO)[10] 0.3 0.2 0.3 0.3
ベンゼン(Bz)[0.003] 0.00079 0.001 0.00088 0.001
トリクロロエチレン(TCE)[0.13] 0.00072 0.001 0.0008 0.00096
テトラクロロエチレン(PCE)[0.2] 0.00014 0.00019 0.00013 0.0002
ジクロロメタン(DCM)[0.15] 0.0011 0.0015 0.0011 0.0013

【注4】各項目の環境基準については、必ずしも年平均値として評価するわけではない。(参考資料5)
【注5】光化学オキシダントは5時00分~20時00分の平均値である。

表3 微小粒子状物質(PM2.5)の短期基準・長期基準別の達成状況

項目 一般局(General St.) 自排局(Roadside St.)
FY 2020/令和2年度 FY 2019/令和元年度 FY 2020/令和2年度 FY 2019/令和元年度
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
達成局数
÷
測定局数
達成率
(%)
長期基準 46/46 100 46/46 100 34/34 100 34/34 100
短期基準 46/46 100 46/46 100 34/34 100 34/34 100

図1(PDF:142KB)
図2(PDF:126KB)
図3、4、表4(PDF:237KB)
表5、図5(PDF:315KB)
参考資料目次(PDF:91KB)
参考資料1(PDF:207KB)
参考資料2(PDF:168KB)
参考資料3(PDF:137KB)
参考資料4(PDF:187KB)
参考資料5(PDF:218KB)
参考資料6(PDF:235KB)

環境局公式ホームページ

本件は、「『未来の東京』戦略」を推進する事業です。
戦略14 ゼロエミッション東京戦略「気候変動適応推進プロジェクト」

問い合わせ先
環境局環境改善部大気保全課
電話 03-5388-3568
(有害大気汚染物質に関すること)
環境局環境改善部化学物質対策課
電話 03-5388-3473

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