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令和6年(2024年)4月1日更新
東京都の西端に位置する檜原村と奥多摩町は、両町村あわせて、330.94平方キロメートルと都全域の約15%の広大な面積を有していますが、大部分が山林でおおわれ、平地が極端に少ない地域であり、主産業の林業が停滞し、第2次、第3次産業についても、企業の進出がほとんどみられません。
町村財政もぜい弱で、道路・医療など日常生活の基盤となる公共施設の整備状況も遅れがちであり、人口も減少しつづけています。
一方で、両町村は秩父多摩甲斐国立公園の豊かな自然に恵まれ、都心に近いオアシスとして多くの人々に親しまれています。また、山林は水源のかん養機能を果たしているとともに、奥多摩湖は都民の貴重な水がめとなっています。
こうした状況を踏まえ、都は、昭和46年度に、両町村について、山村振興法に基づく「振興山村」の地域指定を受け、山村振興計画を策定し、道路整備や給水施設整備等に一定の成果をあげました。
法改正により、平成17年度からは、山村振興計画の策定主体が市町村へ変更され、都は、その基礎となる山村振興基本方針を策定しています。
なお、両町村とも過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づく過疎地域の指定を受けており、都としても東京都過疎地域持続的発展計画を策定して各種事業を実施しています。
このように、山村地域では山村振興法及び過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法による振興策が実施されており、国からは国庫支出金、過疎債などの特別の財政措置が講じられています。都においても観光振興等を図るため都民の森や山のふるさと村などの建設を進めてきました。今後も、山村地域の振興に積極的に取り組んでいきます。
伊豆諸島は、太平洋上に点在する大小100余の島々からなり、美しい自然と豊かな資源に恵まれています。行政上ほぼ各島ごとに独立する2町6村で構成され、それぞれが独自の生活圏を形成しています。
こうした地理的な特殊事情からくる制約条件を改善し、それぞれの島が持つ特性を生かした活力ある地域社会をつくるため、日常生活上必要な施設や産業振興基盤の整備等各種の施策を総合的かつ計画的に実施し、居住環境の整備に努めています。
昭和28年、離島振興法が制定され、伊豆諸島地域が離島振興対策実施地域の指定を受けました。都では、この指定を受け、東京都離島振興計画を策定し、地域の振興を図ってきました。令和4年11月には、同法の7度目の改正・延長が行われ、都においても令和5年5月、新たに東京都離島振興計画(令和5年度~14年度)を策定しました。計画では、計画期間が終了する10年後に目指すべき姿として1)自らのポテンシャルの最大限の発揮と創意工夫により、島しょ地域の魅力と活力が大きく向上している、2)本土と島しょをつなぐ様々なインフラの整備やデジタル技術の活用により、地理的制約が克服され、島しょ地域の可能性が飛躍的に高まっている、3)新型コロナや人口減少・少子高齢化等の直面する危機を乗り越えて、持続可能な回復「サステナブル・リカバリー」を成し遂げることにより、島しょ地域の発展が図られている、の3つの未来を掲げています。また、10年後に目指す姿を実現するため、1)道路や港湾、空港等の交通基盤の着実な整備により、交通手段が充実している利便性の高い島、2)高度な情報通信基盤の整備とともに、誰もがデジタル技術を活用しているスマートな島、3)農業・水産業や観光産業等の活性化と新しい雇用の場が確保・創出されている島、4)医療・防災対策等の充実により、安全安心な暮らしやすい島、5)豊かな自然に恵まれた環境にやさしい島、6)関係人口の創出による移住定住の促進と誰もが果敢に挑戦できる環境が整備され、島内外の多様な主体を引きつける、人々の活力に満ちあふれている島、の6つの方針の下に取組を進めていくことにしています。
また、離島振興計画のほか、都は、地域経済の活性化、地域経済の基盤強化を目的とする「伊豆諸島・小笠原諸島地域力創造推進計画」の策定や過疎地域の持続発展の支援に関する特別措置法に基づく「過疎地域持続的発展計画」による各種事業の実施など、島の持続的発展を目指し総合的な施策を講じています。
さらに、平成元年10月、都及び9町村(伊豆諸島・小笠原諸島)は、共同で「財団法人東京都島しょ振興公社」を設立(平成23年に公益財団法人に移行)し、地域経済の発展及び住民福祉の向上を目指し、産業・観光振興等の諸事業を推進しています。
平成12年6月からの噴火活動により全島避難していた三宅島は、平成17年2月1日をもって4年半に及ぶ避難生活が終わりました。都は、住宅、医療、教育などの生活関連施設や漁業施設などを整備するとともに、都独自の生活再建支援制度の創設など、島民の生活を支援してきました。今後は、村民生活の安定や産業・観光振興など三宅村自らによる中長期的な取り組みが重要であり、都として引き続き支援していきます。
平成25年10月の台風26号接近に伴う大雨で土砂災害が発生し、甚大な被害の生じた大島に対し、都は全庁を挙げて支援を展開してきました。平成25年度から令和5年度までの10年間で、がれきの島外運搬・処理、土砂災害対策、住宅確保、観光支援等の事業に総額約255億円を計上しました。
大島町では、平成26年9月に大島町復興計画を策定し、復興に向けた取組を進めてきました。今後も、都は大島町の取組を後押ししていきます。
小笠原諸島は、昭和19年に島民のほとんどが本土へ強制疎開させられ、戦後は米国の直接統治下にありましたが、昭和43年6月26日、わが国に復帰し、東京都小笠原村として発足しました。復帰当時は、戦火と23年余の空白により、社会基盤の大半は失われ、旧集落は山林原野となっていました。
そのため昭和44年12月、旧島民の帰島促進と小笠原諸島の復興を目的とした小笠原諸島復興特別措置法が5年間の時限立法として制定され、翌年には小笠原諸島復興計画(44~48年度)が決定されました。その後、特別措置法の改正・延長により、法の名称も小笠原諸島振興開発特別措置法となり、計画が順次策定され、交通施設整備、産業振興・観光開発、生活基盤施設整備、防災・国土保全等を実施してきました。
小笠原諸島振興開発計画(令和元年度~令和5年度)では、生活環境の整備・産業の振興による定住の促進、小笠原諸島内外の交通アクセスの整備による利便性の確保、世界自然遺産登録を踏まえた自然環境の保全・再生の3つの施策の方向の下、振興開発事業を進めていくことにより、住民生活の安定・福祉の向上、定住の促進を図り、小笠原諸島の自立的発展を目指していくこととしています。
項目 |
復興事業 |
振興事業 |
振興開発事業 |
振興開発事業 |
振興開発事業 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
交通施設整備 |
12,581,367 |
13,538,898 |
19,054,386 |
8,321,944 |
12,968,292 |
66,464,887 |
産業振興・観光開発 |
3,942,161 |
7,585,312 |
12,997,168 |
10,145,883 |
8,929,533 |
43,600,057 |
生活基盤施設整備 |
9,200,127 |
6,792,952 |
10,478,109 |
9,901,633 |
8,991,198 |
45,364,019 |
防災・国土保全 |
713,414 |
1,567,856 |
973,365 |
626,925 |
242,474 |
4,124,034 |
その他 |
1,327,475 |
3,429,153 |
3,098,547 |
2,117,817 |
2,564,221 |
12,537,213 |
合計 |
27,764,544 |
32,914,171 |
46,601,575 |
31,114,202 |
33,695,718 |
172,090,210 |
平成14年度から予算項目上、「防災・国土保全」は、「生活基盤施設整備」に含まれて計上されている。
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